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2008年9月20日 (土)

五右衛門ロック

「五右衛門ロック」

劇団☆新感線

2008年8月23日(土)
in大阪厚生年金会館 12:30~

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太・松雪泰子・森山未来・江口洋介・川平慈英・濱田マリ・橋本じゅん・高田聖子・粟根まこと・北大路欣也


久しぶりの古田新太主演新感線!

五右衛門!

ロック!


ストーリーは…詳しく書くのもめんどくさいくらいに、単純明快。

大泥棒五右衛門が釜茹でになった後、実は生きていたという設定で、異国の地へ逃亡し、そこでトンデモナイお宝を発見し、そのお宝を守っている王と激突!
最後は大団円!
みたいな感じですね。

ただ、いのうえひでのりさんの演出のド派手さは、どんなシンプルストーリーでも、ド派手にしてしまうマジックがあて、ホントにホントにかっこいい素敵なキュートなめちゃロックなステージでした。

今回は、また一段と派手な演出で、舞台両サイド上方には、バンドのためのブースまでつくってあって、両サイドからがんがんに生演奏です。

観劇するというよりは、ロックのライブに来ている雰囲気が、いつもの3倍くらいはありました。

ストーリーが単純明快なので、こころおきなくロック演奏に耳を傾けられるという感じ。

ひたすら楽しくかっこいい舞台!

わたしは、正直、立見席の人が一番楽しかったんじゃないかと思っています。

座ってるのがもったいないくらいに、立って一緒に踊りたかった。


どの役者さんたちも芸達者で、文句なしなしだし。

歌うまい、ダンスかっこいい。

特に、森山未来くんのダンス、素敵すぎでした。

でも、北大路欣也さんとの対決シーンでは、やっぱり貫禄の差歴然!

北大路さんかっこよすぎる~。

当たり前だけど、でも、その初々しさがいいのかもね。

松雪泰子さんはめちゃくちゃ美しいし。

なんだその白磁の陶器みたいなお肌はーって思いました。


まぁ、何かすごいミーハーな感想ですけど、これはそうやって観てもいい舞台かなと思います。

重いシーンもあるのですが、それは今回はふれないでおこうと思います。

久々にDVD買って手元に置いといてもいいかなと思ったステージでした。

満足。

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2008年9月19日 (金)

『追憶のハルマゲドン/カート・ヴォネガット』(早川書房)

たま~に読みたくなる、早川書房のSF小説。

特に、浅倉久志さんの訳。

なぜか、この人の訳したSFはおもしろい!と、10年以上も前から、SF読むなら浅倉って思っているわたしなのでした。

この作品集は、急死してしまった、才能ある作家カート・ヴォネガットの追悼作品集ともいうべき1冊です。

前半は、ヴォネガットの息子、マーク・ヴォネガットの父への思い出原稿。

そして、後半が、未発表の短編数編。

どれも、戦争時代の兵士経験をもとにして書かれているようで、その重さに耐えられない気持ちになる事もありました。

でも、あくまでもフィクションとして、最後に大どんでん返しを用意してある手腕にうなるばかり。

大どんでん返しというとどんなどんでん返しかと思われるでしょうが、カート・ヴォネガットの大どんでん返しは本当の本当に「大」どんでん返しです!

読んでて、「そっち行くかー!!!」と、膝をたたきたくなります。

あ~、すごいなぁ…と、感心してばかりのわたし…。

センスがすごい。

そして、そのセンスを実際に表現しきっていることがすごい。

プロ。

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2008年9月17日 (水)

『下町不思議町物語/香月日輪』(岩崎書店)

身体が弱く、発育の遅い小学6年生の直之は、父と母の離婚により、住みなれた大阪の地を離れ、東京にやって来た。

クラスメートにはななかなか馴染めず、勉強にも置いていかれる日々。

そんなある日、歩いている道の先に、東京にもこんなところがあったのかと思うような情緒あふれる下町の風景があらわれる。

好奇心にかられ進んでいくと、関西弁でしゃべる着物姿の男がやって来た。

懐かしい関西弁にひかれ、直之が着いた先は…。

いわゆる、行きて帰りし物語の形なのですが、直之とライバルである少年のどたばたが間に挟まり、読者を裏切らないという感じ。

この人の作品には、本気の絶対的な「悪人」は登場しないという印象があります。

イヤな奴、悪い奴、いけすかない奴…は出てくるのですが、最終的には、大団円に収まります。

それが心地よくもあり、多少の物足りなさもあり…という感じでしょうか。

でも、1冊読みきりの作品なので、それはそういう形でいいのかなと思ったり。

これがシリーズものだったりすれば、あのいけすかない人たちも、もっといけすかなく描かれた事でしょうし。


直之と、お師匠の謎の師弟関係がほほえましい。

お師匠とは何者なのか…と、気になるけれど、作者のスタンスは、あくまでも、「そういう者」という感じ。

シリーズになったらいいのに、と、思います。

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2008年9月13日 (土)

『幕末の明星 佐久間象山/堂門冬二』(実業之日本社)

何でこの本を読もうと思ったのか、自分でも分かりません。

何だか急に佐久間象山の事を知りたい!と、思い立ったのでした。

幕末が好きだから?

よく分かりません。

人間ドラマよりも、史実に重きを置いた筆致なので、エキサイティングさはないなぁ~という感想。

そういう事実があったのか、または、あったのだろうなと思いつつ冷静に読む感じ。

でも、佐久間象山の事はよく分かった。

なぜ、急に彼の事を知りたくなったのか、自分でもさっぱり分からない衝動でしたが。

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2008年9月10日 (水)

『大江戸妖怪かわら版 天空の竜宮城/香月日輪』(理論社)

大江戸妖怪かわら版シリーズの4巻目。

実は、シリーズの初めである、『異界から落ち来る者あり 上 下 』は、タイトルや表紙の絵に魅かれて読んだのですが、何だかあまりピンとこなかったのです。
そして、3巻目の『封印の娘』で、おおっと思って、今回の『天空の竜宮城』が一番おもしろかった!

「大江戸」とは呼んでいるけれど、そこは妖怪たちの住む都、異界。
主人公の少年、雀だけは、理由あって、その異界へ紛れ込んで暮らしている、現代の日本から来た少年…という設定。

なぜ、雀が大江戸へ落ちたのか。
彼が背負って生きるべき運命は何なのか。
物語が進めば明らかになっていくのでしょうか。

5巻目が待ち遠しい今日この頃です。

雀は、生きる糧として、大首のだんなという頭だけの大きな妖怪の経営する、かわら版屋でライターとして雇われている。
雀の書く、江戸見聞録や、号外は、大江戸のあやかしたちの楽しみの一つ。

大江戸という「異界」に落ちて暮らしている雀だけれど、「異界」の者たちにしてみれば、雀こそが、「異界」から来たあやかし…。

なぜ、自分がここに生きているのか。

なぜ、自分はここに来たのか。

これから、どこへ行こうとしているのか。

楽しくあやしげな大江戸の世界を背景に、そんな根源的な想いが、このエンターテイメント小説には書かれています。

極彩色で描かれる世界の中で生きる者たちの姿が、静謐な水の表面からスーッと浮きあがっているように、わたしには見えるのでした。

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2008年9月 4日 (木)

『下北サンデーズ/石田衣良』(幻冬舎)

何年か前にドラマでやってたのがおもしろかったので、ちょっと原作を読んでみようかなと思ったのでした。

もう10年以上も前になりますが、劇団というものに入っていたわたしには、とても共感できる部分と、そうでもない部分と。

何よりも共感できるのは、ヒロインたちの、「みんなと一緒に何かを作り上げる喜び」だと感じました。

部活的な時間(と書くと、語弊があるかもしれませんが)って、おとなになると経験することがほとんどないので、こういう青春的な時間ってすごく貴重に感じます。

劇団って、大きくなればどうなのか、大きくなった経験はしたことがないので(笑)分からないのですが、一生、何だか集団でランニングしたり、筋トレしたり、大きな声で歌ったりするような、変なハイな状態が続くような気がします。

もちろんしんどいことの方が多い気がするけれど。

でも、本番の輝きが何もかもを浄化してくれる感じ。

そういう感覚が、この小説には良く描かれていると思いました。


小説に出てくる脇役の小劇場系劇団や、演出家、脚本家、俳優たちが、現在の人気俳優や脚本家たちの名前をもじってあって、分かる人は分かるって感じで笑えます。


石田衣良さんって、プロの小説家なんだなぁって思いました。

この人が描けない作品はないんだろうな。

でも、この人だけにしか描けない世界はどの作品なのか知りたい。

まだ、他の作品をたくさん読んでもいないので言えないけれど。

ファンの方に、「これは絶対におすすめ!」という作品を教えてほしいです。

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2008年9月 1日 (月)

『100万回生きたねこ/佐野洋子』(講談社)

今さら何だと言われそうだけれど、わたしは、この絵本をおとなになってから、やっとおもしろいと思えるようになりました。

子どもの頃もそれなりに何かを思って読んでいましたが、でも、今の方がとても共感できるのでした。

数年前に一度、小学5年生20人の前でこの絵本の読みきかせをした時、前の方に座っていた女の子が、白いねこが死んだ場面で、はっと口元をおさえた瞬間に、この絵本の深さを思い知りました。

先日も、4歳~9歳までの年齢層の子どもたち10人の前で読みきかせをしました。

4歳くらいの子たちには長いし、哲学的でおもしろくないだろうなぁなんて思いながら読みはじめたのですが、最初に数冊読んだどの絵本よりも、この絵本に子どもたちは集中していたのでした。

その集中力たるや、読んでいるこちらまで気持ちの引き締まるような迫力でした。

他の絵本を読んでいる時、おしゃべりをしたり、隣の子にちょっかいを出したりしていた4歳の男の子がいたのですが、その子は、本を閉じた後も、ずっとほっぺたをふくらませ、何かを言いたそうに、こっちをじーっと見ていました。
そして、その後、敷いてあったみんなのざぶとんを片付けて帰って行きました。

この絵本に出てくる、「ねこ」という存在と、その飼い主たちの関係。

そして、後の白いねことの関係は、人間に例えれば、親子とも友人とも、男女の関係ともどうとでも読みとれることでしょう。

そして、なぜ、この何度死んでも平気だったねこが、やがていつまでも生きていたいと思うようになったのか、そして、最後にもう決して生き返ることがなかったのか、ものすごくシンプルに、ものすごく深いことをえがいていると思うのでした。

子どもたちに、このややもするとコワイような絵の佐野洋子さんの作品の「何か」が、伝わっていること、子どもたちにそれを感じ取る心の素養がある事に、わたしは、今回も感動しました。

9歳と8歳の女の子にいたっては、この絵本を聞いている間中、背筋をぴんと伸ばし、まっすぐにこちらを向いていたのでした。
まばたきひとつしないと言っても言い過ぎでないほどに、その目はまっすぐでした。

その目を見て、子どもたちに、この絵本を読んでよかったと、心から思いました。

佐野洋子さんという存在、自分がおとなになってみると、同じ女性として、こういう女性として生きるのって、かっこいいな~と、思う反面、すごくしんどいだろうな~と、思ったりもします。

でも、こんなすごい作品を何作か作っているというのも事実。

やっぱ、かっこいいかも。

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