2008年12月 4日 (木)

パコと魔法の絵本

笑ったー。

泣いたー。

泣いたー。

中島哲也っていう映画監督はすごい人ですね。

ものすごいシンプルなテーマを、あんなにも極彩色してしまうんですもんね。

役所広司、やっぱりすごいいい俳優なんだなぁ~。

あんな変なメイクと衣装なのに、なぜだかすごく泣かせる演技っぷりなのでした。

「お前がわたしを知っているというだけで腹が立つ!!!」

というセリフを日本で一番せつなく言えるのかもしれませんでした。

誰かのために何かをしてあげたい。

誰かを愛したい、愛されたいというストレートな感情を登場人物たちがばしばし発していてとても切ない映画なのでした。

お医者さん役だけが、ちょっと違うスタンスなんだけど。

どうか、観ていない人は、大切な人と一緒に観に行って下さい。

わたしは1人で観て1人で泣いてましたが。笑

まぁ、それもあり。

ひさびさに、お一人様映画館、お一人様お茶をしました。

一緒に観たい人ができたら、DVDを一緒に強制鑑賞です。

帰り道、のどがかわいたので、何年かぶりにミスドに入りました。

入り口に、モンブランのポスターがあったんだもーんね。

わたしが世の中で一番好きなケーキは、モンブランです。

春夏秋冬モンブラン派です。

何はともあれモンブランです。

秋になると、各ケーキ屋さんのモンブランの出来を物色します。

ミスドのモンブランは…邪道だったけど、クリスマスな感じで可愛かったのでまぁ、許すぞよ。

夕方の駅前の広場にはクリスマスツリーが点灯されていました。

きれいでございましたよ。


というわけで、ものすごいひさしぶりの更新ですいません。

それでもカウンターが回っていてありがとうございます…。


本もいっぱい読んでるんですけど、創作塾へも参加させていただいたんですけれど、「デトロイト・メタル・シティ」も大爆笑で観たんですけれども。

腰が重くて更新していませんでした。

がんばるぞい。

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2008年6月 8日 (日)

ザ・マジックアワー

脚本と監督:三谷幸喜

主な出演者:
佐藤浩市・妻夫木聡・深津絵里・綾瀬はるか・西田敏行・小日向文世・寺島進・戸田恵子・伊吹吾郎・浅野和之・市村萬次郎・柳澤慎一・香川照之・甲本雅裕・近藤芳正・梶原善・阿南健治・榎木兵衛・堀部圭亮・山本耕史・市川亀次治郎・市川昆・中井貴一・鈴木京香・谷原章介・寺脇康文・天海祐希・唐沢寿明


公開初日をずーっとずーっと待っていました!
ついに、昨日、仕事が終わってからダッシュで観てきました!
休みのはずの妹も、なぜかダッシュに強制参加!
いいのです!
おもしろいものを観られるんだから!

すごくすごくおもしろくて、すごくすごく素敵な映画でした。

映画好きなので、わりとあれこれ観に行く方ですが、今回は初めての経験をしました。

あまりにも素敵な映画すぎて、しばらく他の映画を観たくない!!!という気持ちを初体験!

ナルニアの第2章も気になってはいるんですが、観ない!

しばらく、もう、他の映画監督の映画世界を体験したくない気分です。

この素敵な余韻にひたって今月いっぱいくらいを過ごしたい。

も~、何でこんなに素敵な映画が作れるんだろう!
何かもう細々とすごいこの素敵さを皆さんにご説明したいくらい素敵なんです!
でも、ただでさえ長々としたわたしのブログ、あまりご説明が長くなるのも申し訳ないからもー。

映画を観た後のビールは格別おいしかったです。
妹と一緒に乾杯しました。
妹は下戸なのでウーロン茶で。
おいしいビールを飲ませてくれる映画なんですよ?
観ない人どうかしてますよ。

さぁ、明日からもがんばって行こう!って、思える映画なんです。
そんな素晴らしい作品、しょっちゅう会えるもんじゃありません。
三谷幸喜、やっぱり素敵な人です。
大好きです。

初日が明けたばかりなので、ネタバレしちゃいけないなと思うので、詳しくは書きません。

でも、皆さん、さまざまな、のっぴきならない諸々のご事情もおありだと思いますが、ぜひぜひ映画館へお運び下さい。

この映画こそ、大きなスクリーンで観るべき映画のための映画だと思いますよ。

表のストーリーである、チンピラ青年と、三流俳優の勘違いや悲喜こもごもとか、いろいろ描いているけれど、裏のストーリーも素敵shine

劇中劇ならぬ、映画中映画。

普段は表に出る事のない裏方さんたち職人さんの、プロの技と、プロ魂、もう、本当にかっこいい!としか言いようがないのです。
そういうの大好きなんです、わたし。
わたしの大好きな職人さんたちのおはなしでもあると思うのでした。

パンフレットの中にね、映画の中で、じゃなくて、本当のこの映画にたずさわったスタッフさんのセリフが書いてあって、それがもうかっこよくてかっこよくて、あくびちゃんはノックアウトです。

それは、監督である三谷さんが、スタッフさんの作るセットがすごく精密で凝っていて素晴らしいのに、カメラに映るのは一部で、撮れないところもたくさんあって悔しいと言った時のそのスタッフさんの答えなんです。

「フィルムには映らなくても、役者の目に映っているなら、それだけで充分、存在した意味があるんですよ」

って、もう、何!?

惚れる…。

ペーペーだったらさ、三谷監督のフィルムに全部俺の仕事を映して欲しい!って、思うはず。
でも、このスタッフさんは、いつでもどんな映画でも、このクオリティーを作り出す自信が無意識にあるからこそ、そんなもったいないセリフが吐けるんじゃないかなぁって思った。

そして、もちろんだけれど、映画を愛しているからこそ、役者を信じているからこそのセリフなんじゃないかなぁと思う。

プロの技を持つ人たちが集まって、一つのモノを作り上げるという事に、わたしはすごくあこがれを感じるんです。
あこがれというか、そういう風にして仕事をしていきたいという気持ち。

わたしは、短い期間だったけれど、むか~し、お芝居を作る楽しみを味わってしまったので、みんながそれぞれの技を持ち合って、そして、お互いを信頼しあって、一つのモノを作り上げるという楽しさ、すごくよく分かります。

もちろん、楽しいばかりじゃないし、センスがかちあわなくて議論になる事もあるし、クオリティーを上げようと努力しない人も中にはいて腹が立ったりするけれど、最終的に、いい作品を作りたいというみんなの気持ちが重なった時は、本当にいいものができるなぁと思ってきました。
舞台に立つ役者だけが主役じゃない、裏方がいてこその役者という気持ちも、本当にその通りだと感じていつも立っていました。

ま、それは余談として。

だから、三谷さんの作品みたいに、主人公はいるけれど、でも、出演している全ての人が本当は主人公なんだよねっているスタンスがすごく胸にグッときます。
そして、こんな事のできる人はなかなかいないと思うんだけれど、観客すらも主役なのです。
だから、映画館で観なきゃダメなの!

何回でも観たいなぁ~って思いました。

俳優陣も、名実ともに素晴らしい人たちばかりです。
主役級の人たちだけならず、脇役の人たちもとてもとても素晴らしいのです。

というか、脇役だからこそ上手い役者を使うんだと思ったりします。
ましてや、コメディ。
演技上手くないと!

走って撃たれるだけの役に中井貴一、とか。
もう。何?
牛タンを頼んどいて、食べずににおいだけかぐ?みたいな、そんな感じ?

寺島進とか、ラストシーンはキミだけのためにあるぞ!と、思って笑いが止まりませんでした。
あんなにカメラがひいてるのに…って、ネタバレになっちゃう…やめとこうっと。

ラストシーンといえば、佐藤浩市さん及び裏方さんたちの大見せ場!

わたしと妹は、座席の下で小さく拍手し続けました。
これが劇場だったら、間違いなくスタンディングオーベーションです。

わたしが映画館で映画を観たい理由、今回、やっと分かりました。
舞台を観る時は、もう、それはライブだから、お客さんたちもライブに来ているから、笑い声、すすり泣き、そして、拍手にスタンディングオーべーションは当たり前。
ましてや、歌舞伎ともなれば、「よっ!○○屋!」なんて言いますし。

それと同じように、映画館でライブ感を味わいたいんだと気づきました。
周囲のお客さんたちと、この瞬間を共有したいのだと思いました。
だから、最近は、わたしは、映画館で笑いをそんなに我慢したりしません。
もちろん、人の迷惑になるような大笑いはしないけれど、1人がクスクスって笑えば、笑いを我慢してた人たちも一緒になって笑うし、結局は、映画館の客席全体に、楽しい空気が満ち溢れるからいいなぁって思うようになりました。

一度だけ、ある映画で、テロップが流れ始めた時に、拍手の嵐になった経験があります。
すごく楽しい時間だった。
それから、ある映画は、とても重たいラストシーンだったんだけれど、テロップが流れている間も、流れ終わって照明がついてしばらくたっても、お客さんが誰も立ち上がらなかった事もありました。
みんな、その映画の問いかける重さに黙ってしばらくイスに座っていました。

だいたい、わたしは、テロップが流れている途中にガタガタ帰る人が好きじゃないんだけれど、こういう瞬間に居合わせた時は、本当に感動します。

映画館の暗闇の中で、たくさんの知らない人たちが、同じ映画を見て感動した思いを拍手で表現するなんて、そんなに出会える瞬間じゃありません。

DVDを自宅で観てたら決して味わえない瞬間です。
だからわたしは映画館へ行きたいんだと気づきました。

1人で映画に行くのもしょちゅうだけれど、本当に映画の好みの会う人と行くのも楽しいものです。
きっと、それもライブ感。
あと、観終った後に、あそこ良かったね!とか、細かい話しもできるし。
映画好きでも、好みが違うと、全然後が盛り上がらなくて、むしろ盛り下がるくらいだから、1人で観た方がましだったと思う事もあるからね…。

すっごく久しぶりに妹と一緒に映画を観たけれど、2人ともが同じ場所で吹き出して、同じ場所で拍手してしまったので、
「あー、この人とは血がつながってるというだけじゃなくて、本当に気も合うから楽しいなぁ」
と、改めて思ったのでした。
あったかい気持ちになりました。

まだまだ書き足りないくらいですよ。
でも、もう、眠たくなったから寝る。

映画を撮るたびにクオリティアップしている三谷幸喜という人も、映画監督のプロだと思いました。
プロの映画監督じゃなくて、映画監督のプロ。
彼も素敵な職人さんの1人。

観なきゃ人生損します。
それだけは確か。

おやすみなさい。

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2008年3月27日 (木)

L change the World

脚本:小林弘利
監督:中田秀夫
原作:「DEATH NOTE」 大場つぐみ・小畑健
出演:松山ケンイチ・工藤夕貴・福田麻由子・南原清隆・平泉成・藤村俊二・鶴見辰吾・高嶋政伸…他…

女の子はみんなLが好きになるらしい、と、友人が言っていた。

そーか、そーなのか、ふーんと思いながら、映画館に行った。

結果は、見事にその通りになりました。

女友だちと一緒に行ったのだけれど、帰り道、2人は、ずーっと、
「L素敵!Lかっこいい!Lはアタシの王子様だわ!」
と、のぼせておりましたとさ。笑

この映画は、原作の「DEATH NOTE」とかもう関係ないね。笑

ひたすら、Lにフューチャリングした映画です。
Lのプロモーション映画?
ってゆーか、松山ケンイチプロモーション映画?

いや、皮肉じゃなくて、松山ケンイチかっこよすぎ!!! 
って、思って。
ビデオ屋さんにある、全ての松山ケンイチ出演作品を見尽くしたくなるくらいに素敵男子です。

えー、なんでだろう?
暴言吐かせてもらえるとさ、そんなにすごいハンサムくんなわけじゃないのにさ、演技力とはかなげな色気にノックアウトッす。

役者だなぁ…と、思った。
これから年をとっていったら、どんな役者さんに成長していくんだろう!
楽しみです!

映画は、正直、ものすごいB級で、かつ、昭和の特撮映画臭がぷんぷんしていて、大好物な人にはものすごい大好物臭のする素敵な映画だと思うのでした。
特に南原清隆こと、ナンチャンがセリフを言うたびに笑ってしまったわたし。
ものっすごいわざとらしいセリフの言い方が、ものっすごいB級特撮映画臭をかもし出しているのでした。
しかも、FBIの役て!
ツッコミどころ満載です。
ま、わたしはこのB級さ加減、大好物な方です。笑

しかも、何だか、コメディな感じなんだよなぁ。
でも、この監督はそれ、わざとやってるのかも。笑

鶴見辰吾の死ぬシーン、すごい泣けるシーンのはずなんだけれど、あまりにも過剰な演出のために、わたしは爆笑しそうになってしまったし。
え?
何これ、これ、「バイオハザード!?」って、思った。笑
でも、鶴見辰吾の娘役の福田麻由子ちゃんのとても中学生には見えません…な、色気ありまくりの涙シーンで、
「あ、一応、ここは笑っちゃダメなシーンなのね」
とか、思ったのでした。
それにしても、この子のこの色気は何なんでしょうか?
おとなも顔負けの演技力と色気です。
小さいけれど、「女優」なんだなぁと思いました。


題名の意味、ラストのLのセリフで納得。

映画を見ながら、わたしはずっとそう感じていた。

Lは勿論、BOYという少年も、福田麻由子ちゃん演じる少女も、出てくる登場人物たち、全てがそうなのだ。

みんな、その才能ゆえに、孤高の孤独な存在。
けれど、その人たち一人一人が手をとりあえば、世界を変える事ができる。
理想へ近づける。

間違った理想へ近づこうとしてしまった孤独な天才役には、工藤夕貴が。
工藤夕貴、べっぴんさんだなぁ…と、アップになるたびに思う。
美しいです。
彼女がハイジャックした時に、必死にセリフを叫ぶ姿は、テロリストなのに、なぜか天使のようにすら見える。
だから余計に孤独に見える。

Lたちと一緒に手をとりあえれば良かったのになぁ…なんて、思ったりした。


それにしても、松山ケンイチくんは、コメディアンの才能もあると思った!
もう、三谷幸喜の映画とかにも出ればいいのに!!!

もう、わたしはしばらく松山ケンイチにメロメロと思われます。笑

エンディングのレニー・クラヴィッツの曲も、乙女心をわしづかみです!
そんな事、言われてみたいぜ。笑

ぜひ、この映画は乙女同士で観に行く事をオススメいたします。
みんなでL王子を鑑賞しましょう。

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2007年10月27日 (土)

キサラギ

監督・佐藤祐市
脚本・古沢良太
出演・小栗旬:ユースケ・サンタマリア:小出恵介:塚地武雄:香川照之


レイトショーを観て来ましたよ。
うちの田舎は、やっとこさ公開のこの映画ですよ。

都市部ではもう公開終わっているかもしれませんが、もし、まだ観ていない人がいたら、オススメ!

おもしろかったー!!!

特に演劇好きな人は、好みかもって感じの映画でした。l
ってゆうか、どっかの劇団がやったのこれ?
映画もうまかったけど、このままそっくり舞台で上演しても何の違和感もない脚本と演出だと思いました。
場所がずーっと、屋根裏部屋で、そこに人が出入りする事で物語を進行させていくので、小劇場で充分に公演できる一幕物でした。
セリフの応酬もすごく演劇的。
ワー!ギャー!ドカーン!っていう頭を使わなくてもいい映画じゃなくて、自分で考えながら楽しめる映画でした。

おもしろかった!

如月ミキというアイドルが謎の死を遂げ、一周忌に、ハンドルネーム家元(小栗旬)と名乗る男の作った掲示板に出没する男たちが集まり、追悼会を行うという筋立て。
それぞれが、スネーク(小出恵介)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、安男(塚地武雄)、いちご娘(香川照之)と名乗り、集う。

もう、これだけでうまい!って感じ!

本名を知らない、5人の男たちが集まり、一人のアイドル(虚像)の事をテーブルを囲んでそれぞれてんでに思った事を語り合っている。
何が本当で何が嘘かも分からない。
男たちも互いが誰なのか分からない。
如月ミキという女性が、実際にどういう女性かも、話せば話すほどよく分からなくなってくる。
すごく演劇的!
まさに、ベケットの「ゴドーを待ちながら」だよ!

す、すいません。
興奮しすぎました…。

話しをしていくうちに、なぜミキが死んだのか。
他殺ではないのかと、オダ・ユージが言い出す。
彼女の死には不審な点が多いと。
そして、ストーカーの存在が浮上してきたり、彼氏らしき男の姿も浮上してくる。
清純派アイドルのミキの意外な素顔とは、そして、彼女の死の真相とは。

屋根裏部屋に集った男たちの素顔も徐々に分かってくる。

わたしは、ある瞬間、このお話しって、すごく前向きなお話しなんだ!っと、思った。
もしかしたら、女性と男性とでは解釈が違うのかもしれないが、一緒に見ていた女友だちも、帰り道同じ感想を述べていた。
如月ミキというB級…C級…いや、もうD級アイドルの存在が、何だかとっても愛しくなる瞬間があるのだ。
チープなんだけど、でも愛しい。
そして、そんなチープさを愛してやまないバカな男たちの存在も愛しい。笑
最後の彼らのダンスなんか、もう失笑なんだけど、何か可愛いのです。
まあ、それは、5人の俳優たちの演技力のおかげなんだとは思うのですが。

小栗旬、あんな汚れ役OKなんだ!と、微笑ましかったです。
ヨダレ出したり鼻水出したり。
イケメン俳優だと思っていました。
いや、かっこよかったけど、でも、何か可愛かった。笑

いい映画でした。

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2007年8月31日 (金)

舞妓Haaaaaaaaaaan!!!

正直、「舞妓haaaaaaaaaaaaaaannnnn!!!」という映画のタイトルの、「a」が何個あるのか分かりません。
適当です。

やっと田舎の映画館にも来たので、パブロンを服用して行きました。風邪気味なので、かなりのハスキーボイスなあくびですこんばんは。
風邪気味でも、田舎は一週間限定上映なので今を逃すともう見られないので頑張るのです…。
いらん根性のような気もします。
あ~ぁ。

舞妓はーんは、一言で言うと、愛と友情の熱血映画でした。
愛!
そして、友情!!!
意外にも、そんな舞妓映画でした。
ぶっちゃけ、舞妓はあんまり関係ないね。
素材やね。

阿部サダヲちゃん演じる舞妓マニアのおっさんと、堤真一演じるちょい悪おやじとの、少年の心を忘れない友情の物語でした。
恋人とのすったもんだとか、舞妓とのすったもんだとかありつつも、要するに相思相愛なのは、このおっさん2人やねんな?

でも、ブロードウェイで上映したらウケると思う。
舞妓さんたちがいきなりミュージカルはじめたりして、元宝塚の男役の人が着物の裾さばきまくって階段から降りて来たりして何かもうあんびりーばぼーです。

そして、舞妓は~んを見て、改めて柴咲コウべっぴんさぁ~んって思いました。

脇役に小劇場の役者さんがたくさん出ているので、お芝居好きはウォーリーを探せ!みたいな感じで楽しめますよ。

それにしても、阿部サダヲのむちゃくちゃな演技、すごいです…。
何かあきれた…。
こんなむちゃくちゃな役者が日本に存在する事を誇りに思います宣言です。
何と言えばいいのか…ハリウッドにジム・キャリーがいるならば、日本には阿部サダヲがいるんだぞと、そういう感じです。何か役者というカテゴリーじゃない気もします。阿部サダヲという存在です。

な、何かすげぇ…。

しかも、多分、この役、当たり役です。
めちゃくちゃバイタリティー溢れるめちゃめちゃ男な感じが、この人の飛び道具みたいなすごい演技に実にマッチしていると思います宣言です。

何かね、ストーリーとか説明するのめんどくさいです。
そういう、問題じゃない感じの映画です。
一度、観て見て下さい。
好き嫌いは、はっきりきっぱりと分かれるとは思いますが。

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2007年6月 2日 (土)

実写版「ゲゲゲの鬼太郎」

実写版を観てきましたよー!
ウエンツくんバージョンの鬼太郎をー!

ま、何か、ものすごいゆる~い映画でっせ。
わたしは大好きだけど、あのやる気あんだかないんだか分かんないゆるさ。
でも、一緒に行った友人は不満そうでした。
「脚本が甘い!」とか、「地上げ屋はどうなったんだ!」とか、「小雪の一言でまるく収まる意味が分からん!」とか、「猫娘がセクシーすぎる!」とか、「何であの人、生き返ったんだ?」とかすごい文句言ってました。笑

あああ、真面目に観ようと思う人は観ちゃだめな映画ですね。
脚本が甘いことなんか、監督は百も承知でわざとやってるんでしょうから。笑

妖怪の心を理解していない観客でした、友人は。笑

わたしは何回も吹き出してたんですけれども。
大泉洋氏演じるねずみ男、すごく愛すべきキャラクターでした。わたしはアニメ版のねずみ男よりも断然好きだな。
憎めない奴って感じ満々。

田中麗奈ちゃんの猫娘もかわいくてかわいくてたまらん!
ムハっって感じでした。w

テーマとかどうでもいいでしょう。
ま、ケンカせずにおりあいつけて生きていきましょーよ、あははははって感じの映画でした。

西田敏行さんの顔だけで全てを演じきるゆるゆる演技も大好きです。あー、素敵。ゆるいおとなバンザーィ!

ってゆーかね、妖怪のたむろしている姿、かなり好きです。あーいう人になって生きていきたいです。笑
「妖怪になりたーい!!!」
って、思っちゃいました。
妖怪人間ベ●が聞いたら怒りそうですよね。
「わたしは人間になりたいのに!」って。

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2007年2月 1日 (木)

「どろろ」 監督:塩田明彦

ちょっと!
妻夫木聡かっこよすぎ!
見て、これ見て下さい!
クールガイな役どころです!

どこかは分からぬ地だが、今は戦国の世。
醍醐景光(中井貴一)は、権力を欲し、産まれてくる我が子の肉体の48箇所を48の魔物に捧げるという契約を魔物たちと交わし、望みどおり、権力の座に着く。
しかし、その20年後、影光の子、百鬼丸(妻夫木聡)は、魔物を倒し、肉体を1つずつ取りもどすという過酷な旅に出ていた。
百鬼丸の左手には育ての親(原田芳雄)により、妖刀が仕込まれていた。
妖刀と己の心の導くまま、百鬼丸は魔物と出会っていく。
その道の途中で、どろろという盗人の少年、実は少女(柴咲コウ)と出会い、旅を共にする事となる。

言うまでもなく、原作は手塚治虫さんの「どろろ」なんですが、わたし、子どもの頃に読んだきりなので、あまり記憶にないのです。
でも、映画はおもしろかった。
これは、わははっと笑いながら楽しむ娯楽映画ですね。
ヘンチクリンな魔物が次々と現れて、それを妻夫木くんと柴咲コウちゃんがワイヤーアクションで倒していく、爽快チャンバラ映画って気がしました。
そして、ボーイミーツガールなんですね。
原作がどうだったのかは分からないのですが、それはそれでわたしはいいと思ったのでした。

父に裏切られ捨てられた孤独な若者、百鬼丸と、愛する親を殺され孤児になり盗みをはたらきながら生きてきた少女、どろろがお互いの切ない心の傷を補いあい、真っ直ぐに旅を続ける素敵なお話しだよ。
爽やかです。
で、出てくる魔物がへんすぎて本当にウケる。
特に、蝶(?)の魔物役の土屋アンナちゃん、あやしすぎるんですけれど。ドスのきいた声でしゃべるし。
何か、あんたすごいよ。

むやみやたらに妻夫木くんを、後ろ斜め45度から撮り、桜吹雪や血飛沫を舞わせスローモーションにしたりして、必要以上に美形キャラな感じなのも、すごいツボです。
ぷ。
おもしろかったー。

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2007年1月11日 (木)

『共依存かもしれない…他人やモノで自分を満たそうとする人たち/ケイ・マリー・ポーターフィールド』(大月書店)

「共依存」という言葉に聞きなれなかったものの、でも、その様子は何となく想像できたので読んでみた。

読んでみて、でも、他人やモノに依存してしまう心理というのは誰にでもあるのではないだろうかと思ったりもした。
ただ、その度合いが日常生活に支障をきたしたり、人を傷つけたりするところまで発展すると、それは無視できない状況で、治療が必要なのだと思う。
また、あまりにも依存したあげくに犯罪に巻き込まれたりするケースもあるのだという。
例えば、簡単に説明がつくものでいえば、ドラッグ依存。
買い物依存、お金依存。
はては、借金。

目に見えない依存もある。
人への依存がそうかもしれない。
親、きょうだい、友人への依存。
その人たちがいないと困るのは誰もが同じ。
けれど、必要の度合いが「束縛」になっていき、自分の思い通りにならないと激怒したり、暴力に発展したり。
自分以外の人と親しくしてほしくない。自分にだけいつも関心を持っていてほしい。
そうしてくれなければ、そうしてくれるように、自分に関心を向けるために自傷行為を始めたりする。

やっかいなのは、恋愛依存。
依存されている側が、必ずしも良い人とは限らない。
自分を必要としていと分かっていて、愛情はなくともその共依存症の人を利用する事も充分にある。
お金をねだる、高価なプレゼントをねだる等はよくありそうな事だ。
依存している側は、それを提供する事で孤独でないのなら、いくらでもお金を出す。
でも、そういう人ってけっこういるのかもしれない。
心は寂しいままで、ますます依存症はエスカレートしそうだけれど。

この本の中では、共依存を治すためには、「インナーチャイルド」と向き合う事が大切だと何度も書かれている。
自分の中の子どもと向き合う。
自分の今まで生きてきた家庭環境や人間関係を思い起こし、自分が何をしたかったのか、どうしてほしかったのか、誰に愛されたかったのかに目を向ける。
でも、それって、とてもしんどい作業だろうなぁと思う。
その心の作業方法を、この本は一から丁寧に書いてある。
この本をゆっくり心を落ち着けて読む事が大切なのかもしれない。

ただ、外国の人が書いた本なので、日本の風習にはそぐわななと感じるところも少しあった。
けれど、読みながら、人が人を必要とし、しかしお互いがお互いを独立した人間だという事を認め合って尊重しあって付き合うという事の大切さは同じだと感じた。
それは共依存症でなくとも、考えないといけないなと思ったのでした。

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2006年11月 3日 (金)

「7月24日通りのクリスマス」 監督:村上正典

試写会の券を頂いたので、行って来ました!

中谷美紀主演のラブコメディ映画。
相手役は大沢たかお。
美男美女ッス。

原作が吉田修一さんの『7月24日通り』なんですが、吉田さんの気配はほとんどしません。
わたしは吉田修一さんの淡々と日常を書いているだけなのに、絶対にこの日人にしか描けない世界観のある雰囲気が大好きです。
でも、だから映画が駄目だとはちっとも思いませんでした。
映画は映画で笑えるし、面白かった。
うまいこと、コメディにしたなぁと、思いましたよ。

ヒロインのサユリ(中谷美紀)は、どっからどう見てもモテなさそうな、髪ぼっさぼさでずり落ちそうな眼鏡をかけた地味な女性。
黒いセーターに、地味なロングスカート。職場と家と本屋を行き来する毎日。
唯一の楽しみは、自分の住む長崎の街を、ポルトガルのリスボンだと思い込み、心の中の王子様像を温める事。
そして、雑誌に載ってしまったりする大学でモテモテのハンサムな弟・耕治(阿部力)が、ちょっと…いや、かなり自慢の姉バカ。

雰囲気がなんとなーく、和製版「アメリ」といえない事もない。
小道具や音響が可愛い。
中谷美紀主演で話題になった映画、「嫌われ松子の一生」の曲が流れるあたり、遊び心を感じたり。

そんな彼女が密かに恋する人は、学生時代の、演劇部で照明担当をしていて、そのままプロになった先輩の奥田聡(大沢たかお)。
しかし、彼は当時、演劇部一の美しい女の子と付き合っていて、とうていサユリには手の届かない人だった。
そして、今も彼は出版したりサイン会したり、そして、美男子ときているので、今でも到底、サユリには手の届かない人。

ところが…って、なるわけなんだけどね。

少女漫画的な展開かもー。
地味で冴えない女の子が、自分の魅力に目覚め、前向きになっていくうちに、実は「みにくいアヒルの子」だっただけで、本当は美しい女の子だったって分かって、王子様も思わずメロメロ…的な。
まぁ、それに加えて、この物語の中ではヒロインのハンサムな弟に、まるで自分そっくりな冴えない地味な彼女ができる事で、鏡を見ているようで焦ったり苦しんだりするところが、この映画の見所なのかな?と、思った。

ヒロインがおしゃれに目覚めてから、一回褒められた服をずーっと着ている演出は、切なくかわいいのだ。
分かる分かる。
他の服が着られなくなる気持ち。
でも、普通は他の服を着る。笑
その極度な不器用さが笑いと涙をさそう。

でも、ごめんなさい。
映画はコメディだし、けっこうわたしは笑ってて楽しかったんだけれど、肝心な要素、王子様の奥田聡を全く素敵☆と、思えなかった…。
大沢たかおは、美形です!
それは確かです!
でもなぁ、この奥田聡っていう役が…あまりにもキザすぎて…。
そこが、このヒロインの王子様フィルターゆえなんだろうけれど…。

だいたい、初対面の女性に、
「笑ってる方が可愛いよ」
なんて、しゃあしゃあと言う男は、わたしは信用ならん!笑
その時点で、わたしの中でシャッターがガラガラガラピッシャーン!である!
だいたい、現実でもそんな事を恥ずかしげもなく言えるような男は、だいたい自分をかっこいいと信じて疑っていないので始末に悪い。
ん?
何ですか?笑

演劇部の小道具係りのサユリに、シンデレラのガラスの靴を履かせる所も、信用ならん!
シンデレラ役は、聡の美人な彼女であるにも関わらず!である!
ん?
何ですか?笑

それにも関わらず、この男はヒロインに向かって、
「お前は今の俺の事を見てなんかいない!昔の俺の幻想だけ見てるんだ!」
的な事を言いやがるんである。
しかも、初めてのクリスマスデートの日に、大遅刻をしておいて!
である。
大遅刻したせいで、サユリは、何時間もカップルだらけのイタリアンレストランで1人で寂しく待ち続け、あげくの果てには空腹で、お店の外で待っているんである。
夜の街で、外で!ですよ!
何かあったらどーしてくれるんだ、聡!
わたしなら、心のシャッターが降ります。
その挙句に、
「今の俺の事を見てない!」
ですよ!?
信じられます?あなた!(誰に言っておるのだ)
「そんなこたぁ、遅刻しないで来てから言え!」
って、思います。
むしろ、まずは、
「寒い中待たせてごめん」
だろと、思います。

…ったく。
聡よりも、わたしは鈍感なサユリの事をずっと片想いしていて、聡との恋の悩み相談を苦しみながらも聞いてあげていた、幼馴染の森山くん(佐藤隆太)の方が好きだ!
わたしなら、森山くんにする!

何の話しやねん。笑

11月3日から公開です!
もう、今日ですね!
恋人とでも友だちとでも、一緒に観に行ってみて下さいね。
森山くん派の人、待ってます!笑

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2006年9月14日 (木)

「UDON」 監督:本広克行

ちょっと前に観て来ましたよ。
前評判でずいぶんと煽ったなぁ~というのが正直な感想です。
おもしろいけれど、うーん、例えるならば具沢山すぎて、本命のうどんの味はどーなんよ!って、感じかな。
1時間30分くらいにまとめても良かった。

ただ、そういう見方をしないで、ひたすら、この監督のマニアックなバカバカしさを楽しめばいいのかもしれない…とも、思ったりする。
きっと、途中に親子の絆とか、若者たちのそれぞれの進路…とかを混ぜるからいけないんだな。
あ。
いけないとか断言しちゃいけない!
それはそれでいいんだけれど、わたしは、もっと、劇中劇的な「キャプテンウドン」なんていう、わけのわからないアホな妄想の方を楽しめるような娯楽作品にすればよかったのに…と、思ったのでした。
主人公の香介(ユースケ・サンタマリア)の親父(木場克己)の、職人魂とかそういうものは充分に名俳優木場さんによって演じられているのだから、もっと監督さんは些細な事を楽しんでも良かったのでは…と、思ったのでした。

脇役やらエキストラやらに、例によってこれでもかというほどいい役者を使っている。
何で一瞬だけ出てきたうどん屋のおかみさんが、うどんのイベントの日に女王様のようなかっこうをして舞台に立っているのか…とか、そういう事はその役者さんの事を知っている人じゃないと楽しめないのかもしれません。笑
でも、まぁ、いいやって感じ。
本広監督は、マニアックに自分も楽しみたいのね。
それはそれでいいやって感じの映画。

正直、そんなにすげ~!と、思う映画ではないのですが、観た後には確実にうどんが食べたくなります!
それだけはすごいです!

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2006年8月11日 (金)

妖怪大戦争なのに!

金曜ロードショーめ!
「妖怪大戦争」カットしすぎ!!!
あんなにカットしたら、おもしろさ半減!
ってゆーか、むしろ放送しない方がいい!

ぷんぷんッ!

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2006年8月 3日 (木)

「ゲド戦記」 監督:宮崎吾郎

観てきましたよ、何かと話題の映画を。

以下ネタバレたくさんなので、ご覧になっていない方で、観に行く予定の方はスルーした方がよいと思われます。

まず思ったのは、「吾郎監督は、『天空の城ラピュタ』が大好きだったんだろうなぁ」って事かなぁ。
ボーイミーツガールな『ゲド戦記』だけれど、でも、吾郎さんのやりたかったのはパズーとシータのような関係だったんだろうなぁとか、お釜の底を抜いてみたかったんだろうなぁとか、雲の隙間から竜を覗かせたかったんだろうなぁとか…そんな感じがしたのでした。

でも、パズーはすごくかっこいい少年だったので、アランのテルーへ大いに依存しまくったへたれっぷりにはちょっとうんざりしたのでした。
いいんだけどね、別にへたれでも。
ただ、後半突然に何であんなに男前に変身するのかが説得力ないなぁと思ったのでした。
そもそも、何で父王を殺したかの心の葛藤が全く読み取れなかった事が残念…。

その原因は演出だと思う。
演出が理屈っぽい!難しい!
セリフ回しも理屈っぽい!
子どもの観客にもっと親しめるようなセリフにすればよかったのに…。
小さな演出の一つ一つに、もっと、すんなりと登場人物の心に寄り添えるマジックをかけてほしかったなぁ…と、思ったのでした。
場面転換のタイミングもなんか居心地が悪かった。
映画が始まった時、王様の視点で画面が進むんだけれど、その視点がすっごい脇役の侍女に一瞬移り、また、王様の視点に戻り、パッと画面が変わり、ハイタカ(ゲド)の視線に移り、主人公のアランの視点になるのは物語がだいぶ進んでしまってからなのだ。
もったいない!!!
己の手で殺した父王とハイタカがだぶり、いつしか父のように慕い始める…というアランの心の動きが観客に伝わってきにくいし。
映画が始まった瞬間から、アランの視点で演出していけば、彼の苦悩もすんなり理解でき、彼が立ち直っていく様子が時間を追って観客に伝わってきただろうに!

登場人物に感情移入すれば良いというわけでもないけれど、でも、映画を見ながら、自分がものすごく客観的に見すぎてしまっていて、まるでシュミレーションゲームを観ているような感じ。
もっと主人公たちの心に寄り添って、手に汗を握りながら見たかったなぁ…と、思ったのでした。

テルーやテナー、クモといった女性の登場人物たちをもっと掘り下げて描いてほしかった気がするし。
テルーはアランを救うためだけに存在している女性ではないはず。
彼女には彼女の今までの人生があったのだし、それがアランと出会って今があるという事なのだし。
お姫様を待つだけの王子様という感じが否めなくて残念だった。
アランだってもっとかっこいいはず。
そして、ラストのクモの扱いが不満。超不満。
あそこまで醜く描く事ないじゃないかー。
彼女は確かに「悪」かもしれないが、彼女の哀しみというのももっと掬い取ってほしかった。
彼女の心の醜さを容姿にしてあまりにも前面に押し出して、叩きのめしていて悲しかった。

ジブリの作品はたいがいが女性の登場人物がすごく清々しくて素敵なんだけれど、今回はちょっとステレオタイプに演出されちゃったのかなぁ…と、残念でした。
まぁ、駿監督と吾郎監督は違う人なんだから、作品が違ってて当たり前。
分かってはいるんだけれど、どーしても比べてしまうのは凡人の性なんだよなぁー。

比べること事態がおかしいのはよっく分かっているんだけれど、キャラクターの、例えばウサギという軍人は「風の谷のナウシカ」に出てきてた軍人に顔がそっくりだなぁとか思っちゃうので、残念だなぁと思ったのでした。
中途半端に似せなくてもいいような気がする。
ウサギの声の香川照之さんの細かい変な芸風は、おもしろかったけど。

何か文句ばっかり書いてる。
でも、絵はわたしは好きだな。
懐かしい感じがする。
今のCG満載のアニメーションよりは、子どもの頃に見た素朴な感じを思い出す。

*******

帰りに本屋に寄ると、『月館の殺人・下/綾辻行人・原作/佐々木倫子・漫画』(小学館)が出ているのを発見。
集英社文庫のナツイチフェアに『夏と花火と私の死体/乙一』(集英社文庫)が入っているのも発見。
どちらも買い求める。
『月館の殺人』は、綾辻氏のミステリを『動物のお医者さん』などのちょっととぼけた風味の漫画で有名な佐々木氏が漫画化しているもので、次々に殺人事件が起こるのに、何かとぼけた味わいのある漫画になっていてハマるのだ。鉄道マニアたちが次々と殺されていくミステリなのだが、謎を解く楽しみよりも、登場人物たちの密室喜劇の方が妙に気になるのであった。
『夏と花火と私の死体』は、今をときめく乙一のデビュー作。
単行本でも出ていないし、数年前に図書館で他の作家たちとの作品集の中で始めて読んで、
「これがあの噂の!!!」
と、感動してから、手元に置いておきたいと思っていた作品。
今のブームにのって文庫化された様子。今買っておかないといけないような気がした。
改めて読んで、改めて驚愕したいものである。

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2006年7月14日 (金)

「リアリズムの宿」 山下敦弘監督

つげ義春の同名の漫画を、映画化。
監督が鳥取の温泉街がつげ義春の世界に近いと思ったために、鳥取で撮影が行われたという。

去年だったか一昨年だっから、撮影の様子は地元新聞に載ってたりしていた。
エキストラを募集しているというので、電話をかけると、年齢を聞かれ、
「間に合っています」
と、断られた。

映画を観て納得。
エキストラは全員、ブレザー姿の女子高生でした。
そりゃあ、間に合っている。

つげ漫画をアレンジし、30代前半の駆け出しの映画監督と脚本家の男2人と、謎の少女1人とのロードムービーに仕上がっていた。
主題歌を歌う、くるりの「家出少女」が、不思議に違和感がない。
コアなつげファンはこの映画を高く評価はしないような気がするが、わたしには、山本監督がつげ義春の目になろうなろうとし続けて、何とかつげの目になって街や風景や人を撮影できているような気がする。

主演の男2人には、長塚圭史と山本浩司。
山本浩司という俳優は初めて見るが、インタビュー映像の今どきの若者という感じのスタイルが信じられないほど、映画の中では小汚いモテなさそうなダサイ男を演じきっている。
長塚圭史は、いつもの脱力系な男をのんびりと演じている。

この映画、何がおもしろかったかって、「間」が面白かった。
こんな「間」は、ちょっと初めて体験する。
この監督の持ち味はいいなぁと思った。

けっこうへヴィーなセリフの後に、遅くも早くもない変な速度でカメラがするりと空を映す。
「うわぁ…へヴィーだな~…」
と、思いかけていた観客は、あまりのスカしに思わず吹き出しそうになる。
そんな変だけれど心地よい「間」が、たまに現れては、気のせいだったかのように淡々と映画は進む。

ん?
そうか。
つげ義春風なのかも、それって。

思わず、本棚からつげさんの漫画を取り出して読み直してみる。
昨夜は読みふけってしまった。

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2006年6月 9日 (金)

フライトプラン

仕事場の先輩スタッフさんに、ぜひ観なさいといわれたので観て見る。

ジョディ・フォスター主演の話題の映画でした。
もう、DVDになっていたので、レンタル屋に行く。

でも、わたし、あんまりサスペンス物に興味ないんだよねー。
観始めたら面白いんだろうけれど、観るまでの気力が沸かないのかも。
チャンバラしないしな。笑
ジョディ・フォスターって,どんな顔だったっけ?とか、思いながら見始めました。

おもしろいんです。
親子の愛情とかも、感動するし。
泣けるし。

でもなぁ、ヒロインが仕事柄、機内に詳しいのは理解できるとして、何でいきなりアクションできるわけ!?
しかも、こんなシリアスな映画なのに、何のギャグかと思うくらいアクションするし。
設定では、普通のおばちゃんだと思って見ていたのは、わたしだけ!?
いつ、あんなアクション覚えた!?

謎…。

そして、ぬれ衣を着せてしまったアラブ人に、最後に謝らないのは、なぜ!?
謝ろうよ!
無実の罪を着せたのだから、謝ろうよ、ヒロイン!!!
何か人種差別を感じてしまって、素直にハッピーエンドに思えないんだよなぁ。

しかも、ダンナ…の遺体…放置っスか…?
いいのかそれで?
ある意味、火葬だったけど、何かすごくドライなラストなような気がして納得いかない。

みんなに精神的に変だとかってバカにされてたヒロインが、スーパーヒロインだったという事に気付いて、楽手喝采を受けるという辺りが、観客にとってのカタルシスなのかもしれないんだけれども、わたしは、どうしてもあのアラブ人が気の毒にしか思えないんだよなぁ~。

謝ろう。
間違いは、謝ろう!

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2006年5月30日 (火)

「嫌われ松子の一生」 監督:中島哲也

2日続けて中島作品鑑賞。
わたし、この人の悪趣味スレスレのポップでキュートなハイセンスっぷり好きかも。

でも、「嫌われ松子の一生」は「下妻物語」ほどはおもしろくなかったな。
いや、おもしろいんだけれど、だって、重すぎる…。涙
ラスト近くの回想シーンはいらんじゃろ。
光GENJIネタもいらんじゃろ?

松子の不器用すぎる一心不乱な思い込み人生っぷりは、何だか身につまされてあんまり笑えないわ。苦笑
人を信じて信じて裏切られて裏切られて、最後は殺されて。
でも、不幸だったのかっていうとそうでもない気もするし。
でも、不幸よね。
愛する男に死んでからやっと大切な女だったって気付かれてもさ。
生きてるうちに気付けよおまえー!
って、思んですが。
はい。

相変わらず脇役さんたちの個性が光ってていい!
宮藤官九郎の太宰治かぶれな役は、とても感じ悪くて良かった。
ダークな役、似合うなぁ。
谷原章介の、うさんくさすぎるハンサムっぷりも相変わらずウケる。
美形なのに、こんなにもうさんくさい雰囲気を醸し出せる人もなかなかいないから得だよ。
中島監督は、俳優の良い所を最大限に出せる人なんだなぁと、「下妻~」を観ていた時も思ったけれど、今回もそう思った。
何せ荒川良々がいい感じに撮れてるんだもん。すごいよ。
ん?失礼か?
褒めてるんだけれども。
武田真治をメッタギリにするセンスもいいなぁと思った。

とはいえ、主演の中谷美紀がもちろん一番良かった。
大変だったろうなぁ、この作品の役作り…と、思った。
でも、どんな場面でも、清楚なようで色っぽい美しい顔立ちは、スクリーンに何度アップになっても見飽きないなぁと思った。

いい映画なんだよね。
でも、重すぎる…。
とりあえず、何ていうのか、頑張って生きなきゃ…という変な気負いを抱かせられてしまう。
うぅ。
そんなに頑張らないと幸せにはなれないもんなのか…。
ふぅ。
ちょっと疲れる。

松子の甥役の瑛太がいるから、まだ救われる気がするんだけれどもさ。

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2006年5月29日 (月)

「下妻物語」 監督:中島哲也

さっき、テレビで放送していた。
映画館で見そびれていたので、喜んで見る。

おもしろーーーーーい!

茨城のド田舎で、ロリータファッションを貫き通す桃子(深田恭子)と、地元暴走族で特攻服姿のイチコ(土屋アンナ)の、直情型友情物語。

嶽本野ばらの世界観をこんなにも忠実に再現しているなんて、すごい!えらい!
そーなのよ、野ばらちゃんって、シリアスに見せかけたギャグなのよ。
それを悲劇的に解釈する世の似非ロリータどもに不満だったのよ、わたしは!
…って、わたしは別に真性ロリータでも何でもなく、むしろ、ヤンキーイチコの考え方に自分が非常に同じな事にウケました。
あー、わたしって直情型だもんなぁ…と、改めて思ったのでした。
すぐにカーッとなって、ガーッっとなって、ウワーンッって泣くんだよな。笑
ははは。
自分でもこれでよっく損しているなぁと思うんだけれど、感情をドカーンとぶつけられた相手は受け止めかねてびびっちゃうもんねぇ。
分かってるんだけれど、なかなか直せない。
よく裏表のない人間は素晴らしいって言うけれど、それもどーかなと思う今日この頃。
本人も生きにくいし、相手するほうも疲れるよね?
要するにバカなんじゃないかなと思う今日この頃。
そして、イチコの直情型不器用街道まっしぐらな姿を見て、要するにバカなのねと改めて思う今日。

ってゆうか、このダブルヒロイン、ロリータの桃子もヤンキーのイチコも、結局、姿かたちこそ違えど同じ人種なのだと思う。
桃子の中にもイチコがいて、イチコの中にも桃子がいる。
光と影。表と裏。
いや、両方表なんだよね、きっと。

限りなく前向きな自己肯定映画。
世の中、わたし以上にいい女なんかいない。
そういう話しな気がする。

落ち込んだ時に見る事をオススメします。
絶対、元気出る。
脇役のみなさんも素敵過ぎてうれしすぎる。


*******

話しは変わって、リンクして頂いている「ピッポ・ポ おはなし村」の、ぴっぽさんの日記に、ういろうの作り方が書いてあった。
ういろうって家庭でも手作りできるんだ!?と、びっくり。
ういろう大好きなので、作り方を思わずメモ。
やったー!
美味しく出来ますように!

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2006年5月27日 (土)

「ミラクルバナナ」 監督:錦織良成

原作は絵本のようです。
絵は、加古里子さんらしい。
テロップで流れていました。

大使館の派遣員に応募し、南国のリゾート地を夢見てハイチを希望して行った主人公の幸子(小山田サユリ)は、着いてすぐに、それが大きな勘違いであった事を思い知る。
ハイチは、まるで戦後の日本のように貧しい国だった。
これといった産業もなく、学校へ行けない子どもたちも多くいて、女性の就業率や女性の学習の機会も著しく少ない。
風邪をひいただけでも死に至るほど、医療も満足に受ける事ができない状況に、幸子はひどくショックを受ける。
大使館は、大使夫妻と書記官と、そして幸子のたったの4人で仕事をしなければならないような状況である。
幸子は、現地の通訳の男性と2人で、小学校を訪れ、現状を視察しに行く。
学校に通えている子どもたちは、まだ裕福な方だが、それでも、ノート一冊も買えない状況の子どもも多くいる。

そんなある日、テレビを見ていた幸子は、日本の森山という大学教授が、バナナの木から紙漉きの研究をしている事を知る。繊維が多く紙漉きに適している事を知った幸子は、やがてハイチの国にバナナの木で作った紙が普及し、産業の一つとなり、子どもたちが満足に勉強のできる環境が整えば…と夢見るようになる。

紙漉きをするまでに、森山教授(小日向文世)と、その助手(山本耕史)、そして紙漉き職人(緒方拳)らを説得してまわり、彼らをハイチに呼び寄せて協力させる事に成功する。

これは、おとぎ話しの姿を借りて、未来への要望を観客に伝えている映画なんだと感じた。
紙漉きをハイチの村でなしとげた幸子の姿は、本当にほんの少しの前進でしかない。
これからそのバナナの紙漉き技術が、どう現地の人たちの血肉となっていくかが問題なわけで。

映画のあちこちで、ドキュメンタリーのように、現地の様子や暴動の様子が映し出される。
監督は、きっとこれらの姿も日本の観客に見せたかったのだろうと感じた。
のんびりした映画だが、メッセージ力は強い。
ただ、ナレーションの通訳の男性がしゃべりすぎなのが気になった。
俳優たちの演技で充分に伝わる事を、わざわざ解説してしまったのは、ちょっともったいないな…。

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2006年5月20日 (土)

わたくしごとですが誕生日です。

今日は誕生日なので、映画が無料!というわけで、映画を観に行く。
公開初日の「ダ・ヴィンチ・コード」を。
昨夜原作を読み終えたので、どんなもんかなと観にいく。
原作では主人公の教授がハリソン・フォード似と書いてあるのに、トム・ハンクス主演だ。
まぁ、それはいいんだ。
どっちにも肩入れしてないし。笑
けっこう映画にしやすそうな娯楽作品だなぁと感心して読んでいた通り、さすがはハリウッド、スピードアップして分かりやすい脚本と演出になっている。
暗号とか宗教とか置いておいても、とりあえずアクション映画としても楽しめる。

客席には外国人のシスターが数人いる。
彼女たちは、どんな思いでこの映画を観るのだろうと思った。

実はラストの方で、わたしは原作を読みながら涙が止まらなかった場面があるんだけれど、そこが大幅に変えられていた。
ダ・ヴィンチやキリストの謎には直接は関係ない場面だったので、変えても問題はないのは分かるんだけれど、わたしはヒロインに感情移入して読んでいたので、ちょっと残念だった。
そこがほんの少し不満だったけれど、まぁ、おもしろかった。
原作を読んでいたからかもしれないようなやっつけ感もあったんですけれども。笑
まぁ、本当にいいんだ。
わたしは、この作品が書物や映像として全世界に発信される事の方が意味があると思ったし。

原作を読んでいても思ったんだけれど、敬虔な信者の人たちにはきっと不満もたくさんある作品なんだろうな。
国によっては上映禁止になるくらいの話題作だ。
でも、この作品を賛否両論で片付けてはしまわないで、少しでも興味を持った人はぜひ手に取ってほしいと感じた。できれば原作を先に。
わたしは、この作品、とてもおもしろいと思った。

だって、これは女神の物語だよ。

宗教上で、女性を蔑視し、性交や妊娠、出産を不浄のものとする思想は数多くあるとは思うけれど、でも、全ての人間は女から産まれた。
何が不浄で何を蔑視すべきとするのか。
女性を貶めているうちは戦争は終わらない。
公開初日だから、あまり書くのはやめようっと。

*******

そして、午後からはずっとやってみたかった岩盤浴に行って来た。
汗の出ること出ること!!!
でも、サラサラの汗なんだ、これが。
全然汗くさくないし、気持ち悪くもならない。
サウナのような息苦しさもない。
1時間半ほどやって、だいぶほこほこして帰宅したらば、夕飯は焼肉。
…とくれば、ビール!
と言いたいところなのに、これが、全然ビールを飲みたいと思わないのよ!
スポーツした後はビールを飲みたくなるのに、岩盤浴の後は、果汁100%のリンゴジュースを飲みたい気分なのだ。
ちょっと、感動。
いい汗かいた。
髪の毛もサラサラになった!
きっと、頭皮の毛穴に詰まっていた汚れもすっきり取れたんだと思われます!
また行きたい!

いい誕生日を迎える事ができました。
一人で遊べる女は、いつまでたっても結婚できないと女性ファッション誌で読んだ事がありますが、そーかも。笑
でも、友人たちからたくさんメールが届いてすごく嬉しかった!
プレゼントも届いたし!
わたしって、恵まれているなぁと改めて思ったのでした。
年に一度、周囲の人たちに感謝をする日、それが誕生日だと、以前、母が言っていましたが、本当にそうだと思ったのでした。
みんな、どうもありがとう!with love.

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2006年5月12日 (金)

「北京ヴァイオリン」

DVDを観る。

今よりももっと若い時にこの映画を見ていたら、きっとラストに納得いかなかったんだろうなぁ、わたしはって思った。

田舎に住む少年とその父。
父は腕に自信のあるコックだったが、貧しかった。
少年は、驚くほどのヴァイオリンの才能を持つ、天才少年だった。だが、田舎ではいかんともしがたい。
そこで、父親は全財産を帽子に詰め、息子を連れて大都会北京へと旅立った。

何の後ろ盾も財産もない少年にデビューのチャンスなど回ってくるはずもない。
しかし、父親は信じられないほどの強引さと切実さで有名なヴァイオリニストに弟子にしてもらおうと門をたたき続ける。
息子にも話していない、彼の出生の秘密すら話して、同情でもいい、とにかく息子を弟子にしてほしいと頼んでまわる。
やがて、有名なヴァイオリニストの弟子になれ、才能も買われる。
国際コンクールにも出場できる事になるのだが…。

父と息子は血は繋がっていない。
13年前、少年が駅のホームに捨てられていたのを拾い、我が子として育てる事にしたのだ。
母は病死したとウソをつき、少年を一番に大切にし慈しむ父親。

父は、捨て子だった少年の傍に置かれていたヴァイオリンが、彼の出生の秘密なのではと思っている。
裕福な家庭で思う存分ヴァイオリンの稽古を受けさせてやれていたら…と、父親は思っている。
本当は有名なヴァイオリニストの息子だったのではないか、こんなに才能があるというのに。
それなのに、こんな貧しい家で育ったがために、満足にレッスンも受けさせてやれない。

だが、少年は、過剰なまでに期待されヴァイオリンを弾きなさいと言われ、反発する。
しかし、父の本当の気持ちを知った時、少年は国際コンクールの出場権を捨て、父のためだけにヴァイオリンを弾く。

こんなチャンス、何で捨てるの!
と、若い頃のわたしなら思っていただろう。
父の気持ちも分かるが、でも、あなたのヴァイオリンの才能も大事だよ!と。
でも、そうじゃないのだ。
ヴァイオリンがなくてもあっても、少年と父親は実の親子以上にお互いを愛し、大切に思っているからこそ、そのラストシーンなのだと思う。

田舎者の父親が、ださくて不器用で、それでも息子のために必死に働き、レッスンの費用を稼ぐ姿は、きっとどこの親も同じなんだ…と、涙が止まらない。
彼だって、有能なコックだったのだ。
けれど、息子のために、慣れない大都会で料理のデリバリーの自転車をこいだり、ビルの清掃員をしたり、建築現場で働いたりして、息子の稽古代を払い続けるのだ。

決してサクセスストーリーではないし、派手な映画ではない。
けれど、そのお互いの深い愛情が心に染みる。

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2006年3月21日 (火)

「県庁の星」 監督:西谷 弘

映画なんて見ている場合じゃなくて、来週末が締め切りなんスけど、でも、劇団ひまわりに入っている友人が映画に出てるって連絡をくれたので、そりゃあ観に行かねばなんねぇなぁと思って観に行った。
ちゃんとパンフレットにもテロップにも名前が載ってました。
頑張ってるなぁ、えらいなぁ。
わたしも頑張ろう。

映画は…実は、織田裕二主演という時点で、わたしの食指はほとんど動かないんだけれどね…。
すみません。
こういうオーソドックスな男前がすごい苦手なんです。
ファンの人、うちの妹、ほんますんません。
男前なんだけれども、それは認めるんだけれども、苦手なの。
でも、世の中の大多数の方々的には、
「お!織田裕二主演かー!見てみよっか!」
って、事なキャスティングなんだよね?
わたしは、ユースケ・サンタマリア派だなぁ。
(映画が違うって!)

お話しは、超エリート県庁職員の野村(織田裕二)と、経営難のスーパーで働くパートの二宮(柴咲コウ)が、はじめはお互いの仕事の仕方に反発を覚えながらも、しだいに心を開いていき、お互いにかけがえのない存在になっていく…という、表面的にはわりかし直球勝負な感じの映画でした。
深く読み込めば、今の時代、こういう映画は確かに作られて当然で大切なことを言っているなぁと思うんだけれども…。
でもなぁ…脚本がなぁ…すみません、失礼を承知で言うんですが、脚本がもうちょっと良ければなぁ…という気がしないでもなかった。
そこは深く描こうよ!というところはサラリと済まし、そこはどーでもいいだろう!?というところはダラダラと説明して…で、残念な感じでした。
無理に二宮の役を若くてキレイな女性に変えなくても、原作通りのベテランのおばさんの方が断然おもしろいのに。
まぁ、集客力の問題で、とりあえず主演は美男美女でないと企画が通らない…とかなのかもしれませんけれども…。
じゃあ、まぁ、それは、わたしたち観客の責任でもあるかもね。

でも、脚本がううむ~って、感じでも、日本の素敵な俳優たちがこれだけ集まればちゃんと見られる映画になるんだなぁという感心もありました。
益岡徹さんっていい俳優なんだな~って生意気にも思ったし、若手のちょっと男前の人(名前わかんない)も、デビュー当時に比べて随分上手くなったなぁなんて、生意気にも思ったもん。

*******

本日の反省事項。

帰り道、一緒に映画を観た人と話しをしていたら、その人の実家が今年中に建て替えが決まったんだという話しになった。
急に建て替えるなんて、まるでうちの親みたいな衝動買い的な一家だねー!と、驚くと、
「母が、父親の七回忌に間に合わせたかったみたいで」
と、言われた。
その人にお父さんがいないなんて、わたしは今の今まで知らなくて、かなりびっくりしてしまった。
知らずにわたしは、自分の父親の文句なんかを話しのネタとして笑いながら話していた…と思って、ちょっとショックで自分が情けなくなった。
わたしよりもけっこう年下だし、随分、若い時に決して楽ではない経験をしはったんやなぁ…と、思った。
普段からと淡々とした人なので、その人が傷ついていたかどうかは今までを思い出してみても分からないけれど、でも、誰に対しても、自分の無意識の言動で人を傷つけている事って絶対にある…と、改めて感じた大反省な日だった。
わたしだって、相手に悪気がないのはじゅうぶん分かっていながらも、それでも傷ついて仕方ない時ってあるもんね。
気をつけなければ。

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2006年2月19日 (日)

「PROMISE 無極 」 監督:チェン・カイコー

ずーっと気になってた映画なので、昨日、勢いで見て来た。

何かこういう伝奇チャンバラ系なニオイのする映像に惹かれます。
衣装も「着てみたい!」って思うくらい素敵。
真田広之とセシリア・チャンの着ていた桜の着物が特にセクシー。

監督は「覇王別姫」や「始皇帝暗殺」のチャン・カイコーさん。
出演は、真田広之、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン。

「世の中の全ての男の愛と富と権力を手に入れる事ができる代わりに、真実の愛は手に入れる事ができない!」
とか、
「二人の愛は運命を変える事ができるのか!?」
とかいう映画のコピーを見て、割とシリアスな映画なのかなぁと思いながら映画館に行ったんだけれど…

ウケる…ッ!!!!!
すごいウケるこの映画ッ!!!!!
大好きこういうお馬鹿なの。笑

んーと、イメージ的には、「ライオン・キング」と「少林サッカー」と木下大サーカスを足して割ったような映画です。
どないやねん!
でも、そんなだったんだもん。

真田広之の楽しそうな満面の笑み演技がたまりません!
今までの真田さんの演技の中で、わたしは、これがピカイチだと思います!
チャン・ドンゴンさんは、苦悩してまじめな顔をすればするほどおもしろいです!
彼は奴隷の役なんだけれど、佇まいとか立ち居振る舞いが上品すぎて奴隷には見えないよ。
でも、結果、出生の秘密が暴かれるからその立ち居振る舞いで正解だったんだろうけれども。

敵役の美形俳優ニコラス・チェーくんの演技が、ものすごいウケる!
二枚目なのに、ああいうアホな事できる人、大好きです。笑
見ていて、何度かスマスマコントの時の吾郎ちゃんを思い出してしまいました。笑

そして、ヒロインのセシリア・チャンさんがすごい綺麗だ~!!!
まったくもって、べっぴんさんだ~。
ボケーッと、見とれちゃいます。
美しい。
アジアンビューティー。
水もしたたるいい女です。
欧米系の美女にはない独特の色気だと思います。
感心しきり。
ものすごいビューティフルッ☆

もう、それだけでも大満足。
見てください。メロメロです。セシリアちゃんに。
ん?セシリア・チャンに。

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2006年1月15日 (日)

「THE有頂天ホテル」 監督:三谷幸喜

脚本と監督:三谷幸喜
出演:役所広司・松たか子・佐藤浩市・香取慎吾・篠原涼子・戸田恵子・生瀬勝久・麻生久美子・YOU・オダギリジョー・角野卓造・寺島 進・浅野和之・近藤芳正・川平慈英・堀内敬子・梶原 善・石井正則・原田美代子・唐沢寿明・津川雅彦・伊東四郎・西田敏行………ふぅ。まだまだ豪華キャスト!

楽しい映画だった。
涙あり笑いありの群像劇。
三谷さんお得意のコメディといえばそうなんだけれど、わたしは、今までとは、少しだけポジティブ度がアップしているような気がした。

三谷さんって、あの穏やかそうな外見では分からないけれど、きっとサディスティックな人なんだろうな…と、思う事がある。
ミュージカル「オケピ!」を観た時に、そう思った。
観客はとても楽しいんだけれど、役者さんはきっとすごくハードだろうなぁって思って。
ハードじゃない舞台なんてないんだろうけれど、それでも、三谷さんの作品は、たまにそんな気がする。
三谷さんは、役者さんをそれとは知られずにサディスティックにしごける人なんだろうなぁって、舞台を観ながら感じた。
そういう感じが、この「THE有頂天ホテル」には、あまり感じられなかった。
今までの作品よりは、ちょっとだけ優しさを感じた。

見所満載な映画。
豪華なキャスト陣に、豪華なセット、こだわりの小道具たちに、素敵な音楽…書き出せばきりがないくらい。

みんな演技のうまい素敵な俳優さんたちなんだけれど、今回、わたしは特に松たか子さんがいいなぁと、思った。
綺麗な人だなぁと、見とれた。
そして、ちょっと直球熱血で、マヌケでカワイイ役どころ。

西田敏行さんにも、かなりツボ。
あんな俳優さんが日本に存在するという事を、世界の人たちに自慢したいよ。
あの芸を身近で見た香取真吾くんは、素で吹き出さなかったかな…なんて、いらん事を考えてしまったり。
パンフレットを読むと、三谷さんが、
「一瞬だけ西田敏行さんと佐藤浩市さんが同じ画面に収まるシーンがあるんだけれど、あそこは僕の中では『敦煌』の再現ですから、夢のようでしたね。『敦煌』大好きですから」
と、語っていて、ウケた。

一瞬だけの『敦煌』再現!
確かに。笑

それからそれから…石井正則(アリtoキリギリス)が、かっこよく見える瞬間があって、ちょっとビックリだったし。

あー、オダギリジョーくんの気持ち悪い演技も最高でした。ウケる。ハンサムな人がああいう変な役をやるのは、何だか怖いもの見たさみたいな感じがあってツボ。
そういう意味では、唐沢寿明さんも、今回は気持ち悪かったな~。

あー、書き出せば全員の俳優さんの芸達者ぶりを書きたくなってしまうから、この辺でやめとこうっと。

登場人物の一人一人の小さなパワーが、最後に大きなパワーになって、シャンペンの泡のようにはじけてキラキラしているような、そんな映画だった。

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2005年12月11日 (日)

「サマータイムマシンブルース」 監督:本広克行

都市部では、夏に公開された映画が、おらさの田舎では冬にやっとこさ公開さ。
しかも、ミニシアター系映画だったりすると、2週間限定上映さ。
ミニシアターないからね、うちの地元。
知ったらすぐに観に行かないと終わっちゃうだね。
んだわけで、今日の夜は映画館へ。

この映画は、ヨーロッパ企画という劇団の舞台を、映画にリメイクしたもの…と、とらえてオッケイかな。
元の脚本は、同劇団の上田誠さん。
映画の監督は「踊る大捜査線」の本広さん。
本広さんって、こういうゆる~い感じの作品が実は好きなのね、きっと。
「踊る~」のような、万人受けする大エンターテイメント作品も作れるけど、こういう小劇場系のゆるいのも好きなのね、きっと。
今回の映画は、キャスティングも小劇場系の人がたくさん出ていて、演劇好きには美味しい映画だったのかな。
きっと、観客動員数なんかはあんまり考慮に入れていない、「観たい人だけ、観においで」な映画。
わたしが見た回も、お客はわたしだけ。
贅沢な時間でありました。
(途中で、明らかに酔っぱらいの人が入ってきたけど、すぐに出て行った。笑)

物語は、大学のSF研究会の部室で始まる。
SFなんかちっとも理解していない、男ばっかり5人のむさくるしい部室。
写真部の女の子2名に、部室の隅の現像室を間借りされている始末。
今日も今日とて、SFの事など考えず、コーラをこぼして壊れたエアコンのリモコンについて、延々とグチを言うだけ。非生産的な若者の集団です。

んが、ふいに目の前にマッシュルームカットのイケてないもっさりした男が現れて、すぐに消える。
彼のいたあたりには、巨大なマシンが残される。
んで、どうもタイムマシンらしいぞ、と。
お前、乗ってみろよ、と。
で、乗ったらやっぱりタイムマシンだったぞ、と。
大興奮する男子5名。
もう1回乗ってみろよ、と。
でも、すごい過去とか未来に行っちゃって怖い目に遭ってもイヤだから、ここはちょっと、かる~く、昨日くらいにタイムスリップしてみようかって、事で。
ついでに、壊れる前のエアコンのリモコンを失敬して来いよ、と。

そんだけの話し。

そのリモコンを巡って、ドタバタのコメディが繰り広げられるのです。
SF研究会の一応の顧問が、過去を変えると未来が消滅するぞ!と、警告するんだけれども、SF音痴なSF研究会のメンバーには、「ま、いいじゃん!」程度の認識で、昨日の自分にちょっかい出しちゃいます。

こういう時に損な役まわりなのは、おかしなメンバーの中にいる、唯一まともな設定の主人公。
彼は、お馬鹿なメンバーたちが過去の品物をかっぱらって来たり、過去の自分や友人に接触しようとしたりするのを、汗だくになって必死に阻止するのです。
彼のおかげで、まあ、未来は消滅しないですむんだけれども。
そんなに頑張った彼に、残酷な現実が待ち受けていたりするんです。
あーあ。
一応、結末は書かないでおこうかなぁ。

これ、でも、映画にするほどの話しなんじゃろか。笑
わたしは、おもしろかったけれど、それは舞台では多分こういう演出だったんだろうなぁっていう想像をしながら見たからおもしろかったって感じで。
映画の演出としては、こんなにゆるくていいのか…?という疑問が。
そりゃ、観客わたし一人だけでも仕方ないって感じでした。笑
こういうくっだらない事を、非常に熱く、早口でテンポ良く舞台上で演技する小劇団って最近はすごく多いと思うのです。舞台で、生身の役者が演じていると、少々のストーリーのアラには目をつぶって楽しめたりするんだけれど、映画で特に生身の臨場感がない演出でこの内容は、ちょっと無理あるかも…って思いました。

まあ、小劇場俳優さんがたくさん出てて、知ってる人は楽しめるっていうスタンスでいいのかもしれないんだけれど。
三上市朗さんは、夏でもスタートレックの艦長の衣装で演技するんだ…みたいな。上着は熱そうなのに、下は短パンなんだ…みたいな。しょーもない小ネタを発見すれば、そこそこ楽しめる。
升毅さんが、エキストラで出ている…あんなに存在感のある顔立ちの人をエキストラで使うのか!という楽しみ方とか、ね。
ゆるいです。とにかくゆるい。
あー…。

*******

今日は、初カニ食べました。
わーい。
うちの地元は、映画の公開は遅いけれど、カニは安く手に入るからいいぞー!
って、全国的なカニの相場を知らないんだけれど。
とりあえず、日本酒とカニで、ごきげんなこんばんなのでした。

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2005年12月 9日 (金)

三丁目の夕日、ふたたび。

今週1週間は、職場のイベントで、大忙し&ちょいストレスなので、気分転換をしよう!と、思っていた。

もともと、わたしとペアの人とが企画したイベントだったんだけれど、当初、すごいのり気で、
「お2人ではとても大変だと思うので、ボクは協力を惜しみませんよ!何でも言ってくださいね!」
とか言ってた人が、イベント当日まで頼んでいた事を何一つしていなかった事に、驚愕。
前日の夕方に、
「用事できたんで帰りまーす!」
って、逃亡した瞬間、こいつにはもう2度と何も頼むまいと、思った…。
むしろ、もう口聞かないくらいの気持ちよ。
ああ、そうさ。心せまいさ、おいらは。
んなもんで、ペアの人とぶーぶー言いながら残業三昧していたのでした。
んだもんで、帰りにちょっと一杯!的な気分の今週。
でも、さすがにおっさんの仲間入りするのはまだ早すぎると思い、帰りにちょっと映画を一本!

迷わず「ALWAYS 三丁目の夕日」2度目の観賞。
だっておもしろかったんだもん。
一回目は、めくるめく昭和の風景と堤真一のかっこよさにやられとりましたが、今日は落ち着いて観賞できた。

六子ちゃんが、自分は家族に見捨てられたと思い込んでいて、後でお母さんからの手紙を読むシーンで、ジーン。
淳之介くんが、茶川にどつかれてもどつかれても、首を振りながら抱きつくシーンで、ジーン。

で、気付いたんだけれど、この映画には、血の繋がりのない人たちが、たくさん出てきて、でも、それでも人の愛情というか、人と人との繋がりとか人間の愛情の強さとかパワーとかを全面的に信頼している映画のような気がした。
六子ちゃんを自分の娘のように可愛がる鈴木オートの人たちとか、淳之介を受け入れる茶川とか。
みんな、ドッカーンって、体当たりで人を愛している気がした。
鈴木オートの社長役、堤さんの怪獣のような演技、初めて見た時は笑っちゃったけれど、今日はすごく感動した。ウケるとかじゃなくて、こんなにもこの鈴木って人は、体当たりで人を信頼してるんだ~って感じる事ができた。

人にドッカーンって体当たりするのは勇気がいる。
ケンカになって仲直りできなくなるかもしれないしね。
拒否された時、格好悪いしね。
でも、みんな、自分以外の誰かを受け入れる勇気を持った時、自分も受け入れて生きていけるのかも…なんて、思ったんでした。
てへ。

何か、「ご飯をおかわり!」って言いたくなるような、そんな映画なのでした。

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2005年11月11日 (金)

「ALWAYS 三丁目の夕日」 監督:山崎 貴

昨夜は、映画を観て帰宅。
この映画を観ようと思った決定ポイントが何だったのかよく覚えていない。
でも、派手な宣伝もなく、派手そうな映画でもないから、ビデオでもいいやと思っているそこなあなた、大きなスクリーンで見ると、ちょっとしたタイムスリップ感覚を味わえますよ。

物語の舞台は、昭和33年。
高度経済成長のまっただ中の東京。
建設途中の東京タワーを見上げる事のできる場所、夕日町三丁目の人々の涙あり笑いありの暮らしを描いた作品。

まるでテーマパークに紛れ込んだような再現セットを堪能。
「知っているけれど、知らない日本のどこか」に、自分を溶け込ませたくなる気持ちを満足させてくれる映画だと思った。
昭和30年代の町のセットの中で演技する俳優たちは、けっこう楽しかったんじゃなかろうかと思った。

映画が始まると、カメラが子どもの背の高さ位で動き始める。
子役の少年の目線で動いているのだ。
小さな町工場の玄関先で、少年の母親が箒で掃除をしている。
少年の目線がぶれる。
部屋にあるはずの物を探して、カメラが動く。
そして、それがまだ家に来ていないことに落胆し、模型飛行機を持って外に飛び出していく。
模型飛行機は、少年の手から空に舞い上がり、どんどん舞い上がり、そして、カメラは東京を俯瞰する。
その時には、もう、観客のわたしは、昭和33年の風景の中に溶け込んでいるのでした。

大きなストーリーのうねりは特には、ない。
主人公の茶川竜之介(吉岡秀隆)は、芥川賞を狙いながらもいっこうに入選しない貧乏作家。
お向かいに住むのは、自動車修理工場の鈴木オート。住まうは、社長の鈴木則文(堤真一)と、妻のトモエ(薬師丸ひろ子)、小学生の息子の一平(小清水一輝)。そして集団就職で青森からやって来た星野六子(堀北真希)。
近所には、踊り子上がりの美女、石崎ヒロミ(小雪)の経営する飲み屋やまふじもある。
お医者さんの宅間史郎(三浦友和)もいるし、たばこ屋の大田キンばあちゃん(もたいまさこ)もいる。
素朴な人々の住まう町だ。
そこに、見知らぬ少年、古行淳之介(須賀健太)が現れる。
ヒロミの踊り子時代の仲間、和子の産んだ子らしい。要するに再婚した母親に厄介払いにされて、ヒロミにお鉢が回ってきた様子。
面倒を見る気もないヒロミも、淳之介を厄介払いしたくて、飲み屋に来た鼻の下を伸ばしきっている茶川を言いくるめて押しつける。
世間が自分の才能を見る目がないとやさぐれて、だいぶ性格の悪くなっている茶川は、純粋な淳之介と暮らすうちに心を開いていく。
それを軸に、鈴木オートの社長の夢や、集団就職で家族を離れた寂しさを耐える六子のエピソード、医者の宅間の戦時中の出来事を、からめていく。

映画は、とにかく明るい。
みんな前向き。ポジティブシンキングだ。
茶川とかヒロミは実はけっこう不幸なんだけれど、あまりそういう事は掘り下げない。
みんなが、新しい家電製品に一喜一憂し、少年雑誌に狂気乱舞し、東京タワーを見上げる。
昭和という時代がテーマパークになったような映画だ。
「なんかいいよね」
という、ちょっとだけ元気になってみようよ。ちょっとだけ、脳天気になってみようよと、思う。
でも、戦争というセリフだけは、どの俳優も「シン」としてしゃべる。

「戦時中はこんなもんじゃねぇ」
「兵隊にも行った事ないくせに」
「もはや、戦後ではない、か」

そこだけ、シンとする。
戦争は、遠い昔の事ではないのだと思い出す。
異国の出来事ではない。
今、ビルや車や電車でいっぱいの日本中の町々は、昔は焼け野原だったのだ。
人がたくさん死んだのだ。
いい人も。
悪い人も。
みんな死んだ。
そんな事を思う。

茶川竜之介とか、古行淳之介なんていう登場人物たちのネーミングで笑っちゃうけれど、この映画のそういうちょっとしたスパイスは、この映画を「フィクションの中の、ノンフィクション」に仕立て上げている。
知ってるけれど、知らない風景。
でも、今のわたしたちの現実とも絶対につながっているあの時代。
あの人たちを生かすためにも、わたしはちはもっと真摯に生きなきゃなんて、思ってみたり。

堤真一が短気な亭主関白をコミカルに演じている。
その短気たるやすさまじく、従業員の粗相に、怪獣のように怒る。
実は、この映画でわたしが一番好きなシーンが、この堤父さんの怒り狂うシーン。
ものっすごい怒り演技。
ウケます。何かすごい笑っちゃいました。
「怒髪天」とは、まさにこの事かも。
これ、近くで見ていた共演者たちは、ちょっと感動してたかも。
ゴジラです。等身大でゴジラです。笑

怒り狂い、玄関のドアを両肩で外し、制止しようとする茶川を投げ飛ばし、ふすまに頭突きをくらわす姿は最高です。

堤父さんと、吉岡秀隆の乱闘シーンは、
「怪獣 VS 軟体動物」
としか言いようがありませんでした。
誰も勝てん。

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2005年11月 9日 (水)

絵に唸る。

BSハイビジョンで連夜、天才画家たちというシリーズを放送していた。

一昨日が、「雪舟 画聖と呼ばれた男」
昨日が、「曾我粛白 奇想天外の美」
今日が「円山応挙 からくり絵師の写実マジック」

で、再放送していたものが、葛飾北斎・尾形光琳・歌川広重・長谷川等伯の4人。
特に日本画に精通しているわけでも何でもない。
ただひたすらにおもしろい。
見て、楽しい。
画法や人物像などは、この番組で知った事などがほとんど。
でも、絵はそこにあるだけでおもしろいと、思った。

それは、美しいとかかっこいいとかすごいとか、とにかく言葉にすれば陳腐な事になってしまいがちなのだけれど。
あえて言うならば「唸りたい」。
テレビの画面からでさえ、その絵の迫力やもの悲しさは胸に迫る。
脳みそが喜んでいるのが分かる。
声を出さずにはいられない。
「う~む」
「うお~!」
「すっげー」
声だけ聞けば、サッカー観戦と何が違おうか。
いや、ちょっと違うかも。笑

粛白の絵の描く、後ろ姿の巨大な仙人。
水墨画のシンプルな筆さばきで、その仙人のうら悲しい気持ちがこっちにも迫ってくる。
仙人を可愛そうだと思うのは、何だかおこがましいようだが、あまりの人間くささにそう思う。

同じく、粛白の描く鬼女の美しさ。顔はただれ崩れているのに、肢体はあくまでも優美。
着物から露出している手足は、細く白くしなるような型で静止している。
鬼女になる前は、さぞや美しい女性だったのだろうと思う。
何をして、何を恨んで鬼になり果てたのか。
やはり、この女にももの悲しさを感じる。
切ない鬼女だ。

応挙のふすま絵は圧巻。
険しい崖と海原の絵は、そのまま下へ下へと波を下ろしていき、座敷の畳の線に交わっていく。
畳すら巻き込んで絵が描かれている。
その座敷に座る者は、大海原の真ん中に溺れるのだ。
溺れたい。
その座敷のド真ん中に座りたいと思った。

孔雀と松の木のふすま絵は、ふすまを開けても開けても、決して松の枝が途切れない。
どこを開けても、松の枝は次のふすまにつながって途切れる事がない。
そして、ふと庭に視線を移すと、そこにも大きな松の木がいるのだ。
まさに視覚のからくり。
唸りたい。

絵師にふすまの絵を描かせて、そこに居住し続ける日本人って、なんて贅沢な事を思いついたんだろうと思う。
額に入った絵を買って飾っている部屋で寝起きするのとは、わけが違う。
ふすまに直描きだ。
その大胆な考え方がかっこいい。
だから、貧しい絵師たちは、食客となった家のふすまやら何やらに絵を描きまくってトンズラしていたのかな。

北斎の富岳百景なんて、その時代にわたしが産まれて生きていたなら、絶対に、
「次はどんな富士を描くのかね!?」
なんて町の噂に踊らされていたと思うなぁ。
ミーハーだから。

あー、面白かった。

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2005年10月30日 (日)

「この胸いっぱいの愛を」 監督:塩田明彦

どーも、風邪をひいた。
昨日は高熱が出たらしく、肌あれがすごかった。
熱が出ると、肌の色がくすんでかさかさになるのは気のせいかなぁ。
衣服が肌にふれるのすら、痛くて歩くのもフラフラ~って、感じでした。
これは、長時間、誰にも文句言われる事なくボーっとしていられる場所を確保しなければと思って、映画館へ行く。
とりあえず、上映時間中は座ってられるし、その間に熱も下がるかもしれないし。

というわけで、普段なら絶対に見に行かないであろう恋愛モノを観賞。
別にいけないわけじゃないんだけれど、多分、自分自身が恋愛モノを見ながら笑ってしまうから行けない。
もっとマジメに恋愛映画を見られる人にならなきゃと、いつも思う。
物を書く時も、思う。
どーしても茶化さずにはいられない自分をいつも反省。
きちんと美しい恋愛小説を書ける人は、すごいマジメな人なんだろうなぁと、己を振り返って反省する。
マジメに生きなきゃ。
いや、違うかもよ。美しい恋愛モノを書ける人は、大嘘つきなのかもよ。
あ、またホラそーいう事を言ってしまう…。

時は2006年1月。
デパート勤務の鈴谷比呂志(伊藤英明)は、全国お弁当フェアの準備のために故郷の北九州へ出張する事になる。
比呂志の乗った飛行機224便には、彼の他にも様々な乗客がいた。
仕事(恐らく殺し)を失敗し、兄貴に見捨てられたヤクザの布川輝良(勝地 涼)。
若い大学客員教授の臼井光男(宮藤官九郎)。
盲目の老女、角田朋恵(賠償千恵子)。
だが、彼らはまだお互いの存在を知らない。

故郷に帰ってきた比呂志は、祖母の経営していた小さな旅館の前で足を止める。
祖母のいない今、旅館は人の手に渡っている。
幼い頃、父を事故で亡くし、母が家出をし、比呂志は唯一の身内の祖母に育てられたのだった。
切ない思い出にひたる比呂志の目の前で旅館の入口が開き、少年が飛び出してくる。
小学3年生くらいの、その小さな少年を凝視する比呂志。
「あれは、おれだ」

比呂志は、何をどうしたわけか20年前にタイムスリップしていたのだった。
2006年へ帰る方法も分からない比呂志は、とにかく旅館で住み込みで働かせて貰う事になる。
1986年のそこには、比呂志にとって忘れられない人々がたくさんいた。
祖母の椿(吉行和子)と仲居のハルさん(坂田理恵)、そして幼い日の比呂志ことヒロ(富岡 涼)。
そして、何よりも比呂志の嬉しかった事は、初恋の人、青木和美(ミムラ)が、まだ生きている事だった。
和美は、音大を主席で卒業したにもかかわらず、なぜかプロにはならないで、父親の保(愛川欣也)の経営するお蕎麦屋へ戻って来ていた。
和美は脳に腫瘍らしきものが出来ていて、手足がしびれ、バイオリンをひけない体になっていたのだった。
死期の近い事を周囲のおとなたちは知っていながらも、幼いヒロには黙っているのだった。

比呂志は、ヒロの子守役と旅館の掃除をこなしながらも、懐かしい人々とのつかの間の日々を楽しんでいた。
やがて、彼は、海辺で同じ224便に乗り合わせていた布川と臼井に出会う。
彼らも、なぜかこの故郷である九州へタイムスリップしていた。
どうすれば2006年に帰る事ができるのかと考える彼らに、臼井が同じ便に乗り合わせていた盲目の老婦人の話をはじめる。
臼井はタイムスリップしたと気付いた時に乗っていたバスで、同じ場所を何度も往復して解決策を考えていた。
その時、盲目の老婦人に出会い、自分たちがタイムスリップした事を告げると、彼女は大喜びしたのだそうだ。
昔、心なくも生き別れになった盲導犬のアンバーに会いたいと言う彼女を連れ、臼井はアンバーのいる盲導犬の老人ホームへ行く。
老婦人がアンバーに会って謝り、アンバーの許す姿を見て、そのままスーッと空気に溶けて消えたのだと、臼井は説明する。
「悔いている事をやりなおす事ができたら、2006年にもどれるのかもしれない」
三人はそう考える。

「もし人生でひとつだけやりなおすことができたら、あなたはなにをやりなおしたいですか」

それが、この映画のテーマなのだろう。

臼井の話を聞き終わった布川は、自分を産んで死んだまだ見ぬ母親に会いに行こうと決心する。
臼井は、中学生の時に傷つけてしまった一人の男(中村勘三郎)のもとへ謝罪に行こうと決意する。
しかし、比呂志は、自分のやりなおすべき事が何なのか分からない。

この映画が何で評判がいいのか分かった気がする。
人生にやり直しなんて絶対にない。やり直せないからこそ、全力で生きなきゃならない。
でも、人は絶対に気をゆるめて手を抜いて、取り返しのつかないような失敗をする。
そして、傷つけなくてもよかった大切な人を傷つけてしまう。
もちろん、その傷は自分の心にも一生刻まれたままだ。
「あの時、こうしていれば」
誰もが思う事を、この映画はやり直させてくれるのだから、これほどまでに優しい映画はないのではと、思った。

比呂志も、やがて思い出す。自分がすべきだった時に何をしなかったのかを。
愛する人、和美が死にかけていた時、幼かった自分が恐怖のために彼女を見捨てた事を。
そして、彼女と会う事もなく死に別れた事を思い出す。
比呂志は、幼い自分であるヒロを叱咤激励する。
「がんばれ、おれ!逃げるな、おれ!」
「今、ふんばっておけば、未来のお前はもっと幸せなんだ!」
愛する和美を救うために、必死に奔走する比呂志は、やがて、もう一つの事実を海辺で見つけてしまう。
その事実は映画を見ていない人のために内緒に。

でも、そう。その場面を見た瞬間、観客はじんわりと恐怖を感じる。
やっぱり、人生には「やり直しなんかない」のだ。
だからこそ、今を頑張らなきゃだめなのだ。

恋愛映画だと思って見に行ったけれど、そうでもなかったかも。
見方によりけりかもしれないけれど。
映画の中盤くらいから、わたしはずーっと涙と鼻水が止まらなくて困った。
それが、高熱のためなのか、映画のせいなのかよく分からない。
切ない映画なのだけれど、普通ならここで泣かせるシーンが来るはずなのに!って、場所で、わざと肩すかしをくらわせる演出にちょっとウケた。
泣かせるシーンが来るハズの場所で小さな笑いを入れる方法はアリだなぁと、思った。
クドカンっぽい。笑
監督、クドカンじゃないんだけれど。

個人的に、冒頭シーンからアップで出てきたクドカンの挙動不審演技が大好きでした。
印象の薄い男という役柄で、本当に薄気味悪いくらいダメ男な感じがステキでした。笑

あと、ミムラっていう女優さんの演技を見るのはまだ二度目なんだけど、けっこういい女優さんだなぁと、感心した。デビュー当時のドラマでは何だかな~って思ったんだけど、人って成長するんだなぁ!と、生意気にも感心しました。
‘バイオリンの弾けなくなった病弱なヒロイン’というありふれた役柄のイメージをぶっ壊す、強い目力がステキでした。
「ざけんなよ、同情してんじゃねぇよ比呂志!わたしはバイオリン弾きたいんだよ!」
(注:そんなセリフはありません)
っていう目つきが良かったです。
ご本人もバイオリン弾くのかな?よく知らないんですが、骨太の指の太いがっしりした大きな手が説得力ありました。ただ守ってあげなきゃと思わせるだけの白くて細い手じゃなくて良かったって思った。
全体的に、二の腕とか太股とかおしりとかがっしりしたかっこいい女の子だなぁって見とれてました。
別に変な意味じゃなくて。笑
和美という女性の強さと弱さがよく体現されていて良かったです。
伊藤英明の濃い顔立ちに全然負けてない存在感でした。

「黄泉がえり」的なものを狙ったのかもしれないけれど、わたしはこっちの方が断然好きだなって思いました。
深刻ぶらなさすぎて。

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2005年10月 9日 (日)

「蝉しぐれ」 監督:黒土三男

藤沢周平さん原作の映画「蝉しぐれ」。
原作も好きだし、NHKで内野聖陽さんが演じていたドラマも好きだったので、映画も見逃すわけにはいかないと思い映画館へ足を運ぶ。

主演は市川染五郎さんと木村佳乃さん。
染五郎さん好きなので、観なきゃと思う反面、あの役を色気ムンムンの染様が演じたらどうなっちゃうんだろ…と、心配反面。
でも、心配無用でした。
「透明な色気」というものが存在するという事をこの目で見る事ができました。
上手いよ、あの人。すごい。
脱帽。

映画では全編、美しい風景が続く。
日本にはこんなに美しい風景がたくさんあるんだと改めて気付かされた。
染五郎さん演じる牧文四郎が、海辺を歩くシーンがあるのだけれど、とても「日本の海」という感じがする。
海のそばで生まれ育ったわたしには、ああいう荒々しく冷たい海が「海」としての実感がある。
大きすぎて何だか怖い感じが、この映画にはちゃんとあって、何だかホッとした。
田畑も、空の色も草木の色も、日本だからこそという感じ。
坂道を父親の遺体を大八車に乗せて曳く文四郎の場面が泣けて仕方なかったよ。
子役の石田卓也くん、いい顔してた。

今の時代に生きていれば、15才そこいらで親の遺体を引きずって何キロも歩くなんて経験、絶対にないはず。
中学生だよ、今だと。
子どもの頃にそんな目に遭った時、人はどんな気持ちになるんだろう。
どんな顔をするんだろう。
その後の人生は、どうなってしまうんだろう。
そんな想いを石田卓也くんはどんな気持ちで演じたんだろうなぁ。

そして、おとなになってからの主演2人も凛として美しい。
人は、どんなに虐げられ、どんなに苦しい目に遭ったとしても、凛と美しく生きていく事ができるのだという、静かな強さを感じた。
哀しく切ない話しだけれど、人として生きていく醍醐味というようなものを受け取る事ができるような気がした。

木村佳乃さんって、こんなに美しい人だったのか…と、思った。
少女の頃に別れなければならなかった文四郎と、おとなになってから再会した時、文四郎には妻子がいないと知った時の表情が、無言なのに、全てを理解したようなどんなセリフも言わなくてよいのだという事が伝わってきた。
おふくという女性は、時代や権力に翻弄された人生だけれど、決して不幸ではなかったんだという事が、木村佳乃さんのその演技でジワーっと伝わってきた。
けれど、だからこそ、文四郎と添い遂げられない運命が切なく哀しい感じがした。
きちんと真っ直ぐに生きている2人だからこそ、もし一緒に生きていけたならば、もっともっと幸せに生きられていたはずなのに…と、思う。

そして、ラストのシーンの2人が静かに話しをするシーンの木村佳乃さんは、もう神々しいって感じ。
そして、それを見つめる染五郎さんの眼差しの色っぽい事!
それが「透明な色気」だったのでした。

染五郎さんで時代劇なら、殺陣もさぞかし迫力満点でかっこいいんだろうなと思っていたら、おふくと子どもを守るために闘うシーンの殺陣の、今までにない地道さにびっくり。
かっこわるい事がかっこいいんだと、素直に思えるような殺陣。
人を殺すのはこわい。殺される人もこわい。
そんな単純な事を思い出す。
チャンバラはかっこいいだけじゃない、人を斬るものなんだと思い出させてくれる。
切ない殺陣というのは初めて見たかも。

透明で切なく気高く美しい映画でした。
10年後にもう一度観ようと思った。

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2005年8月15日 (月)

「妖怪大戦争」 監督・三池崇史

公開初日にいそいそと観に行ったのですが、感想を書かずにいました。何だかあまりにもおもしろすぎて。

そう!この映画はすーーーーーっごく面白いですよー!

表向き子ども向け夏休み映画の雰囲気を漂わせながら、その実、裏の顔は大のおとなが好き放題やりたい放題で大はしゃぎしている映画です。こんなおとなになろう。笑

ストーリーはいたって単純、両親の離婚で母(南果歩)の故郷鳥取県で暮らす事になったタダシ(神木隆之介)は、祭の夜に麒麟獅子舞の麒麟送子に選ばれる。麒麟送子に選ばれた子どもは、天狗山に聖剣を取りに行かねばならないのである。そして、弱虫タダシは山に向かい、懸命に努力し成長をするのであった。

…というのが表の顔。

そこで、気のいい妖怪たち、猩々(近藤正臣)・川太郎(阿部サダヲ)・川姫(高橋真唯)と出会い、大天狗(遠藤憲一)から聖剣を貰い受けた直後、どこからともなく現れた鳥刺し妖女・アギ(栗山千明)のムチで聖剣は真っ二つに。そして、アギが引き連れてきた機械の妖怪・機怪たちによって大天狗はさらわれてしまう。

…ここからが、裏の顔。

大天狗が連れてこられた所は、妖怪と捨てられた道具たちを大きな炉で合体させ、機怪として蘇らせる工場。そこには、機怪を人間界に送り込み世界征服をたくらむ男の姿があった。その男の名は加藤保憲(豊川悦司)。もう、この辺からだいぶ「およよ?」って感じ。え?加藤?しかも何か黒ずくめの服着てるし…。加藤って、あの加藤…?

「帝都物語」の!?

さて、この映画がそもそも作られるきっかけとなったのはプロデュースチーム「怪」の人々のもくろみだったのだそう。メンバーは水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆき。

え?荒俣宏?じゃあ、あの加藤って、あの加藤なんじゃん。笑

そんなわけで、そのバカバカしいパロディ具合と、妖怪を愛してやまない大のおとなたちのおとなげないはっちゃけぶりを堪能する結果と相成ります。妖怪役の俳優さんたちの豪華すぎるほどに豪華なキャスティングに、ちょっと目を見張ります。何してんのこの人たち嬉しそうに…って、感じの演技です。石橋蓮司さんなんて、特殊メイクなしで妖怪役です。ウケます…。あ、もう一人いた。特殊メイクなしで妖怪役の人。水木しげる。

プロデュース「怪」の面々も妖怪役のエキストラで、変な扮装で喜々として演じています。新宿鮫で有名な大沢在昌氏も、大阪城公園でホームレス役で出ています。空を飛ぶ巨大な妖怪を見上げて、「ああ、あれはガメラや」みたいなテキトーなセリフを言っています。

みんな出たくて仕方ないのね、「妖怪大戦争」に…。

一人だけストイックな演技をし続けているのが、川姫役の高橋真唯ちゃんだけって感じ。何だかかわいそうにすらなってきました。主人公の神木くんですら、ギャグポジションなんですもん。ギャグの出来る子役、素晴らしい!

むしろ、おとなで大勢で観に行った方が楽しいかもしれません。わたしは友人と3人で行きましたけど、その後、飲みながらずーっと妖怪の話ししてました。酒の肴になる映画です。おとな向けです。笑

ラスト近くの妖怪500匹大集合大乱舞シーンは壮観!

あまりの妖怪うじゃうじゃっぷりに嬉しくて仕方なくなります。

何だね。妖怪の定義みたいなものを感じました。「戦争」なんてタイトルについてはいるけれど、妖怪は戦争なんてしないんだね…。ラストの水木しげるのセリフが全てなのかも。書いたらネタバレすぎるから、書かないけれど。

世界征服をたくらんじゃうようなあくせくした生き方をしている加藤保憲とは大違い。加藤保憲を退治する方法というのが、とってもとっても素敵。人間も妖怪を見習おう!

同じ頃に観たハリウッドの話題作、スピルバーグとトム・クルーズの「宇宙戦争」が、わたしにとってのラズベリー賞(笑)にランクインされたのに比べ、「妖怪大戦争」は、とても平和な映画だな~。こういうのがいいな~。

宇宙人襲来をそんなふうに9/11テロに重ね合わせて、これでもかこれでもかと、宇宙人を悪者に仕立て上げてぼっこぼこにする映画なんて、何か寒気がする。宇宙人登場シーンが大きなキリスト教会を破壊する所から始まるなんて、宇宙人をあの国の人たちを重ね合わせてるの見え見えじゃん。もっと、冷静になっておくれ。

♪ロックの基本はLOVE&PEACE

小豆の基本もLOVE&PEACE

甘さを抑えたLOVE&PEACE

なんだってさ。「妖怪大戦争」の歌。小豆がキーワード!

こういう映画を今作っちゃった大のおとなたちに拍手!

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